世界トップスキーヤーが訴えた切実な気候変動対策 FISに公開書簡

オーストリアのシュラドミング近辺のスキー場(1月6日)|Matthias Schrader / AP Photo

◆世界大会の日程変更で温暖化対策に
 書簡をまとめたオーストリアのダウンヒル選手で環境団体「プロテクト・アワー・ウインター(POW)」の大使を務めるジュリアン・シュッター氏は、「私たちは、毎日の日常で、そして仕事場で気候変動による影響に直面している。FISのサステナビリティに対する努力は理解しているが、それでは不十分だ」と述べ、積極的かつ組織的な対応へと改善を求めた。

 いくつかの改善点として、アルペンスキーのシーズンの開始月を10月末から11月末へ、終わりを3月中旬から4月末への変更や、地理的条件を考慮したスケジュールへの変更を要請した。こうすることによって、カーボンニュートラル対策につながると訴えた。特に男子サーキットの場合、今シーズン中に欧州と北米間を2往復する日程になっている。書簡では「11月のビーバークリークと2月のアスペンは50 キロ離れた場所にある。2大会を連続で行うことで約1500トンの二酸化炭素の排出を削減できる」と対応を求めた。

 12日の世界選手権ダウンヒルで銀メダルを獲得したノルウェーのアレクサンデルオーモット・キルデは、「私たちは世界が変わっていくのを目の当たりにしています。そして、私たちのスポーツに与える影響についても、痛感しているのです。私の願いは、将来世代が冬を体感し、私がしていることと同じことができることです」と訴えた(AP)。

 アスリートたちは書簡で「ウインタースポーツに身を置く我々が、気候変動に対する取り組みを率先して行い、我々のスポーツを気候ニュートラルに早い段階で変えていかなければならないのです」と強調した。

Text by 中沢弘子