なぜビルゲイツは牛のげっぷを減らすスタートアップに出資したのか?

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◆牛のげっぷを減らすテクノロジー
 課税をしなくても牛のげっぷを減らせるテクノロジーを開発しているオーストラリアのスタートアップ「Rumin8」がある。Rumin8は、2030年までの世界1億頭の牛の脱炭素化をミッションに掲げている。

 どのように牛のげっぷを減らすかというと、餌にメタンの生成を防ぐ海藻を使う。理由は、この海藻が牛の胃の内部でメタン発生に寄与する酵素を阻害する効果があるからという。そして、牛が好まない海藻の塩分も除去している。この海藻をサプリメント化して、牛に定期的に与える。すでに、2022年11月にブラジルにて、そして2023年1月は、ニュージーランドでこのサプリメントの効果を実証する実験を開始している。

 このような背景から、ビルゲイツはRumin8へ1200万ドルを出資したと考えられる。日本でも政府が主導するムーンショット型農林水産研究開発事業において、2050年までに牛の第一胃(ルーメン)のマイクロバイオームを完全に制御してメタンガスを80%削減しようという取り組みも開始されている。日本でもこの分野のスタートアップが立ち上がり、投資活動が活発化しても不思議ではない。

Text by 齊田興哉