野生生物個体群が69%減少、1970年以来 崩れゆくバイオダイバーシティ
地球上のあらゆる地域に影響を及ぼす気候の変動は、バイオダイバーシティの危機にも直結する問題だ。二つの国際NGOが最近相次いで出した報告は、これを告発している。バイオダイバーシティは「生物多様性」とも訳されるように、地球上に少なくとも1000万種あるといわれる生物種が、さまざまな形で関わり合いながらバランスを保っている状態をいう。バイオダイバーシティの危機とはこのバランスが壊れることを意味する。
◆8種に1種の鳥が絶滅の危機
国際環境NGOバードライフ・インターナショナルは9月28日、鳥類の危機的な状況を伝える報告書を発表した。これによれば、鳥類の8種に1種が絶滅の危機にあり、49%にあたる5412種においては個体数が減少。個体数に変化がないのは38%(4234種)で、増加がみられるのはわずか6%(659種)の鳥類に過ぎないという。
同NGOが2018年に行った調査では、個体数が減少傾向にある鳥類の種は約40%で、今回の結果と比べるとこの4年で減少傾向が加速していることがわかる。
◆過去48年で脊椎動物の69%が減少
世界自然保護基金(WWF)が10月13日に発表した『生きている地球レポート2022』によれば、この危機的状況は脊椎動物全体にも当てはまる。脊椎動物とは、文字通り背骨を持つ動物のことで、鳥類のほか、魚類、哺乳類、両生類、爬虫類を含む。
WWFの今回の報告によると、1970年~2018年の間に脊椎動物の個体群の増減を測定する指数が平均69%減少した。とくに目立つ例としては、1970年以降、個体群が80%減少したヒガシローランドゴリラ、86%減少したアフリカマルミミゾウ、71%減少したエイやサメなどがある。また、脊椎動物の3分の1を占める淡水生態系でも個体群が平均83%も減少している。
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