「ブルドッグを買わないで」英獣医が訴え 品種改良で健康リスクの高い体に

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 ダブついた皮膚など、愛らしさとたくましさを兼ね備えたルックスが人気のブルドッグ。だが、これから新たに飼育することは控えるべきだとの意見が出ている。イギリスの研究者たちは、長年かけて行われてきた品種改良の結果、犬が苦しみやすい構造になっていると指摘する。

◆たくましく見えるが病気に弱いブルドッグ
 ブルドッグについて英BBCは、口角の下がった特有の表情がウィンストン・チャーチルと比較され、「歴史的には勇気と忍耐の象徴とされてきた」と説明している。しかし、鼻先の短い平らな顔や、しわだらけの皮膚、そして丸みを帯びた体など、「極端な特徴」を求めて品種改良が重ねられた結果、「この品種に健康上の抗議が寄せられがちとなり、福祉上の懸念材料となっている」という。

 英ガーディアン紙は、6月に発表された英王立獣医大学による研究をもとに、イングリッシュ・ブルドッグに特徴的な平らな顔、前に突き出たアゴ、皮膚のたるみなどにより、寿命が大幅に短くなるリスクを他犬種の2倍抱えていると報じている。計2万頭以上の犬を対象にした同研究によると、8歳以上まで生きる個体は一般的な犬種で4頭に1頭以上あるのに対し、イングリッシュ・ブルドッグでは10%未満であった。研究は6月15日付で学術誌『Canine Medicine and Genetics(犬科の医学と遺伝学)』に掲載されている。

Text by 青葉やまと