インド農家デモ、女性の活躍に脚光 「エンパワーメントの場」とも

抗議活動に参加する女性たち(2020年12月27日)|Manish Swarup / AP Photo

 インドで昨年9月に施行された農業関連新法に反対する抗議活動は、開始から数ヶ月以上がたった現在も続いている。抗議活動に参加する農家の数は活動開始以来増え続け、現在は数万人が連日活動拠点に集う。1月27日にはニューデリーでデモ参加者と警察が衝突、1人のデモ参加者が死亡したほか100人以上の警察官が負傷する事態となった。デモ隊は30日、植民地支配に非暴力で抵抗した故・マハトマ・ガンジーの命日にあわせて、ハンガーストライキを決行。しかし31日、同国のナレンドラ・モディ首相は農業改革推進の意を改めて表明した。

◆抗議活動に多くの女性参加者の姿
 この抗議活動で特筆すべきは、これまで表立つことの少なかった農家の女性たちが活動に参加していることだ。抗議活動の拠点では、さまざまな年齢の女性たちが寒空のなか座り込み、デモの最前線でスピーチし、特設キッチンで食事を準備して参加者たちを支えている。また実際の抗議活動だけでなく、活動によって男性が不在となった農場を管理・運営しているのも女性たちだ。前線で必要とされる食料や毛布、その他必需品を継続的に送り届ける役割も担っている。

 インドの農村地域は典型的な家父長制社会であり、女性と男性は所有財産に対して平等な権利を持たない場合が多い。農村地域に住む女性のうち85%が何らかの形で農業に従事しており、かつ農作業だけでなく家事や子供の世話など幅広い役割を担っているものの、土地を所有している女性の割合は13%のみとなっている。また貧困や差別、ドメスティックバイオレンスに苦しむ女性たちの姿がさまざまな研究で明らかにされてもいる。こういった背景があるにもかかわらず多くの女性たちがデモに参加し、自ら声を上げている。

Text by 中原加晴