チョコレート支える児童労働 カカオ生産国、企業に責任求める

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 チョコレートの原料であるカカオ豆は、西アフリカのコートジボワールとガーナが主要生産国となっている。実はカカオ豆の多くは、零細農家によって生産されており、児童労働の温床にもなっている。現状を改善するため、企業を巻き込んだ取り組みが進められているが、改革は一筋縄ではいかないようだ。

◆チョコレートの悲劇 貧しい生産者と児童労働
 コートジボワールとガーナのカカオ豆は世界の生産量の60%を占める。しかし、カカオ産業のサステナビリティについての報告書、ココア・バロメーター2015年版によれば、100ユーロのチョコレートが売れたときに生産者にわたるのは7ユーロほどだった。一方、チョコレート製造者には35ユーロ、小売店(税を含む)には44ユーロがわたっていた。NBCニュースによれば、現在では生産者の取り分はわずか3%ほどだ。西アフリカのカカオ農家が手にするのは、1日あたり50セント〜1.25ドル(約52〜130円)だという。

 収入の低さから、西アフリカの生産地域では、違法な児童労働が行われている。労働者を雇えない両親や祖父母のもとで、約210万人の子供が学校にも行かずに働かされている(ココア・バロメーター2018年版)。また、多くの子供が誘拐されて奴隷労働者となっているとも言われている

Text by 山川 真智子