世界で模索、マスクの除菌再利用・リサイクル

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◆ネックとなるのは回収か?
 他方、廃棄されたマスクの再利用法の模索も始まっている。

 シュッド・ウエスト紙(8/26)によれば、フランス南部シャテルロー市の中小企業プラクシティル社は、使用済みマスクを細かな形状にしてUVで殺菌したのち、プラスチックと混ぜて、フェイスシールドやマスク止め、収納ケースなどに加工するテスト生産を始めた。また、フランス北部のコスモリス社では、「使用済みサージカルマスクからポリプロピレンを抽出し」(フランス・アンフォ)、これを細かく砕き、洗浄したのち、注射器やチューブなどプラスチック製の医療用品に加工している。

 このようにマスク再利用の技術は各方面で進んでいるものの、フランスでは使用済みマスクの一般回収ルートはいまのところ存在しない。フランス・アンフォ(7/22)によれば、上述のプラクシティル社は、市内50ヶ所にマスク回収箱を設置し最初の10日で約1万5000枚のマスクを回収したそうだが、これを全国規模で実施するのは不可能だ。またコスモリス社が扱うのは、医療施設で回収された使用済みマスクで、一般からの回収はできていない。

 もともとフランスはごみの分別も進んでいるとはいえない。国民の意識も日本ほど高くないため、使用済みマスク回収ルートの確立は、なかなか容易ではないはずだ。今後もしばらくは世界的にマスク消費数、廃棄数が多いと思われるいま、ごみ分別先進国である日本にも参入してもらいたい分野である。

Text by 冠ゆき

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