3D印刷でサンゴを作成 エネルギー生産、サンゴ礁再生に期待 ケンブリッジ大ら
多くの生き物の住みかである、海の中の色とりどりのサンゴ。この美しいサンゴがいま、危機的な状況にさらされている。世界のサンゴの3分の1が絶滅の危機にあるといわれており、オーストラリアのジェームズクック大学が3月に世界最大のサンゴ礁地帯であるグレート・バリア・リーフを調査したところ、約2000kmにわたる白化現象が確認され、白化が広範囲に及んでいることがわかった。
そんななか、サンゴ礁再生に役立てようと、ケンブリッジ大学とカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが3D印刷でバイオニックサンゴを作成した。
◆サンゴの中の藻類がエネルギーを生成
これまでも、サンゴに関連するさまざまな研究が行われてきた。イスラエルの大学が開発した、3D印刷したバイオプラスチック製人工サンゴ(藻類は中に含まれていない)や、健康なサンゴ礁の音で劣化したサンゴ礁の魚の生息地回復を促進するイギリスとオーストラリアの研究チームの取り組みなどだ。
サンゴは光を使ってエネルギーを生成する最も効率的な生物のひとつで、光の量が一定ではなく、成長する場所が限られた厳しい環境でもエネルギー生成できるという特徴を持つ。サンゴの中で光合成を行うのは、藻類だ。サンゴと藻類は、サンゴの中に住む藻類が光合成をして、サンゴに糖を提供するという共生関係にあり、ケンブリッジ大学とカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者らはこの特別な関係に注目した。
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