中国ごみ禁輸から2年、世界への影響は? リサイクルの現状と問題点

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◆資源ごみを生かせず 先進国は焼却、埋め立てへ
 中国の禁輸後、先進国はごみの輸出先を東南アジアの国々にシフトした。しかし大量のごみの流入によって引き受け国は以前より厳しい規制を敷くようになり、不適切なごみの受け入れを拒否するようになった。その結果、アメリカに次ぐプラスチックごみ輸出2位の日本は、過去1年間に50万トンのプラスチックごみを蓄積した。WSJは、リサイクル施設の建設を行う民間企業に補助金を出し、国内での処理を進めようとしている日本の取り組みを紹介している。

 しかし多くの先進国では国内でのリサイクルは進んでいない。イギリスでは、行き場を失った資源ごみは焼却されるようになり、欧州の多くの国では、ごみ焼却による発電がここ数年支持を得ているという。国土の広いアメリカでは、多くが埋め立てで処理されている(WSJ)。批判もあるが、効率、経済性を考えるとそうならざるをえないという。

 Medillによれば、アメリカでは過去25年間中国に依存していたため、リサイクルのインフラがなくなってしまったという。New Security Beatのインタビューで、カリフォルニア大学バークレー校のケイト・オニール教授は、現在のアメリカのリサイクル業界のゴールは、資源ごみを中国の求める基準に収めることだと述べている。

◆ただしい知識を ごみ出しの意識改革必須
 アメリカではすべての資源ごみをまとめて回収することが多いが、リサイクルを進めるためには、回収の段階で異物を混ぜないことが大切だ。以前は、中国は汚れて異物の混ざった資源ごみも受け入れていたため、輸出側の業者に選別の手間はかからなかった。結果として、市民のリサイクルに対する認識が甘くなることにつながっていた。

 WSJによれば、アメリカでは自治体で資源ごみを出す際のルールを決めていても、それを守らない、知らない人が多いということだ。せっかく回収しても、汚れたプラスチック容器は埋め立て行きとなるし、異物の混ざった紙ごみは、選別工場の機械を壊してしまう危険性もある。

 リサイクルできるかどうかわからないものまで回収箱に入れてしまう「ウィッシュサイクリング」も問題だとMedillは述べる。できるだけ捨てずにリサイクルしたいという崇高な気持ちが、回収業者や処理施設の迷惑になってしまうということだ。

 Medillのインタビューを受けたシカゴのリサイクル会社のマネージャー、ビル・ケニー氏は、今後は消費者、回収業者、製造業者がそれぞれの責任を果たすことが重要だと述べる。回収業者は、消費者に適切なリサイクルの方法を教え、商品を製造する企業は、リサイクルしやすい商品やパッケージングを作り、商品ラベルにリサイクルの方法を明記することが必要だという。そして消費者は、正しいリサイクル習慣をつけ、エンドユーザーとしての責任を果たさなくてはならないと述べている。

Text by 山川 真智子

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