中国ごみ禁輸から2年、世界への影響は? リサイクルの現状と問題点

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 中国は世界中から資源ごみを輸入してリサイクルする「世界のごみ箱」となっていたが、環境への悪影響などを理由に、2018年から24品目の廃棄物の輸入を禁止した。これにより、世界の資源ごみは行き場を失い、各国は対応を迫られることとなった。禁輸から約2年が経過したいま、アメリカのリサイクルの現状はどうなっているのだろうか。

◆出すだけでおしまい、中国に依存していたリサイクル
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は、中国の措置は世界のごみへの対応に劇的な変化をもたらしたと述べる。アメリカをはじめ多くの先進国は長い間、汚れてごちゃ混ぜになった資源ごみを貧しい国に送り、その仕分けと処理を任せてきた。しかしここへきて、リサイクルの価値を考え直す必要に迫られている。

 米シンクタンク、ウィルソン・センターの環境変化と安全保障プログラムのブログ『New Security Beat』によれば、1992年から禁輸が始まるまでは、プラスチックごみだけでも世界の45%が中国に輸出されていた。ノースウェスタン大学のジャーナリズム専攻大学院生のサイト『Medill』は、中国の禁輸によって多くの人が、自分がリサイクルに出したごみが実は別の国に輸出されていた事実を知ることになった、と述べている。

Text by 山川 真智子