オープンになる女性の生理 世界でタブーを破ろうとする動き

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◆生理用品のイノベーション
 日本ではナプキンと呼ばれるパッドやタンポンが主流だが、海外ではさまざまな生理用品やそれらにまつわる製品が登場している。たとえば、月経カップと呼ばれるシリコン状のカップを膣の中に装着し、それを洗って使いまわすというものや、最近では月経ディスクも人気がある。「FLEX(フレックス)」のディスクはゴム製で、子宮けい部と恥骨に引っかけることで経血を受け止める。着けている違和感、血の漏れも一切なく、半日使用してゴミ箱に捨てるだけだ。着用中に水泳なども問題なくできる。さらに、生理用品が不要なパンツ「THINX(シンクス)」など、生理中でも女性が何かを犠牲にすることなく、快適に過ごせる画期的なグッズが増えている。

◆少しずつオープンになる生理
 公共の場や男性がいる場で生理について話すことはタブーであったが、最近では生理を題材とした本や映画なども多く出され、メディアでも取り上げられるようになっている。インドの発明家・社会活動家、アルナーチャラム・ムルガナンダム氏が低価格で衛生的な生理用ナプキンを発明した実話を元にした映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』が2018年に公開された。扱っている内容により、クウェートとパキスタンでは上映禁止となったが、多くの国で話題となった。

 また、Netflixオリジナル短編ドキュメンタリー映画『ピリオド -羽ばたく女性たち-』は、インドの女性たちによる性革命を取り扱っており、第91回アカデミー賞で短編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。

 日本でも、小山健によるオムニバス形式のマンガシリーズ『ツキイチ!生理ちゃん』をご存知の方も多いだろう。「生理痛」「むくみ」「頭痛」「貧血」「イライラ」「月経前症候群(PMS)」などが擬人化した「生理ちゃん」と女性の生活を描いており、多くの女性の共感を得ている。

 そして、文字コードの国際規格管理団体ユニコードコンソーシアム(UNICODE CONSORTIUM)が生理を表す、赤い血の滴の絵文字を2019年内にリリースすることを発表した。ポジティブなメッセージになると歓迎されるが、この絵文字が承認されるのには、約2年かかった。慈善団体「プラン・インターナショナルUK」の少女の権利の責任者であるルーシー・ラッセル氏は「生理に関する恥をなくすことは、それについて話すことから始まる」と語った(ガーディアン)。

 いままでの生理に対する「不快」「タブー」「隠すべきもの」というネガティブなイメージを塗り替えるためには女性自身も、そして男性も、生理とそれに伴う体や心の変化について教育を受け、自然で当たり前のこととしてオープンに受け止め理解することが求められる。

Text by sayaka ishida