ポリ袋の使用で逮捕も アフリカで広がるプラスチック製袋規制
◆アフリカで成功 レジ袋が消えた
プラスチック製袋の使用や配布の禁止など、なんらかの規制をしている国は127ヶ国あるという。なかでもアフリカでは、すでに34ヶ国がレジ袋などの使用禁止に踏み切り、欧州の29ヶ国を上回っている。規制では世界をリードしている(AFP)。
ただし、国連環境計画のPatrick Mwesigye氏によれば、その成功の度合いはさまざまだとしている。もっとも成功しているのは、10年以上前からプラスチック製袋を禁止しているルワンダだという。国内での製造が少なかったころからいち早く禁止したためだ。製造や輸出が盛んだった国では雇用が奪われるなど、実施が非常に困難だったという(ナショナル・ジオグラフィック)。
2017年からプラスチック製袋の規制を始めたケニアも成功例だ。禁止直後は近隣国からのプラスチック製袋の密輸が始まり、混乱も起きた。政府の担当者は、代替品を考えないまま禁止してしまったことが失敗だったと述べている。結局、食品用ラップを除外したりするなど、禁止する品目の見直しを進めた。現在ではスーパーだけで年間1億枚使われていたレジ袋はなくなり、街の景観も改善したということだ。違反者には罰則もあるが、そうでもしなければケニア人は無視するだろうと市民活動家は話している(ナショナル・ジオグラフィック)。
タンザニアは、6月1日から医療用など一部を除き、すべてのプラスチック製袋の輸入、輸出、製造、販売、保管、供給および使用を禁止した。AFPによれば、製造、輸入した者には、43万ドル(約4600万円)の罰金または禁錮2年以下が科せられる。所持していれば、87ドル(約9400円)の罰金か禁錮1週間、またはその両方が科せられる。旅行者に対しても、プラスチック製袋を持ち込まないよう求めており、かなり徹底している。
◆効果はあまりない? それでも禁止はトレンド
プラスチック製袋禁止の効果を疑問視する声もある。ナショナルジオグラフィックによれば、世界で年間800万トンのプラスチックごみが海に流れ込んでいるうえ、プラスチックの製造は2040年までに2倍になるとされている。禁止しても劇的にプラスチックごみが減るかどうかはわからない。ウェブ誌『クオーツ』は、使い捨てレジ袋の代替品として用いられる綿のトートバッグも環境汚染を引き起こすとし、プラスチック製袋の禁止は完璧ではないと指摘している。
それにもかかわらずプラスチック製袋の禁止は広がりつつあり、アメリカではニューヨーク、カリフォルニアやハワイなど、自治体レベルで始まっている。さらにほかのプラスチック製品削減も始まりつつあり、EUは、2021年から十数品目にわたって使い捨てプラスチックを禁止すると発表している。アフリカ同様、世界で使い捨てプラスチック禁止の流れは加速している。
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