ハンバーガーは週1回、卵は4個… 健康と環境によい食生活、専門家が提言

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 マックマスター大学で栄養疫学を研究するアンドリュー・メンテ氏は、レポートが述べる食事に関する推奨は予期しない結果を招く可能性があるとして、レポートの内容が広範囲に知れ渡る前に警鐘を鳴らした。

 それでもなお、ランセット誌に掲載されたEATのレポートの著者たちは、「最も健康的な生活を送るために赤身肉の摂取を減らすことと、菜食を中心とした食習慣へ移行すること」を強く支持していると語る。レポートの著者たちは、この提言は、「飽和脂肪酸を摂取するカロリーの10%に制限すべき」というアメリカの食生活ガイドラインと両立するものだと主張している。

 比較的貧しい国々に住む人々であれば、肉や乳製品を積極的に食べることでより多くの栄養を摂取する恩恵を受けることになる。貧国の人々が数年後に摂取するであろう肉や乳製品の量に留意し、多くの人が過剰摂取で健康を害することになった欧米の豊かな国々と同じ道をたどってはならないと注意を喚起している。

 推定量に多少の相違は見られるが、国連の報告によると、気候温暖化を招く世界の温室効果ガス排出量のうちおよそ15%が、家畜の飼育に由来するものだ。

 ノルウェーを拠点とするシンクタンクCICEROのシニアリサーチャー、ロビー・アンドリュー氏は、より短期間で動物をより大きく育てようとする牧畜業の慣行は、温室効果ガス排出の低減に役立つかもしれないと語る。しかし、同氏は、牛などの反芻動物は、それでもなお強烈な温室効果ガスであるメタンを大量に生成すると述べた。

 アンドリュー氏は、「牛がメタンを生成し、排出することは自然な生体のしくみの一部である以上、これをやめさせることはできない」と話した。赤身肉を食べないことがもたらす環境面での利点は、人々がその地域で何を食べるかによって異なる。アンドリュー氏は、鶏や豚が排出するメタンガスは、牛が放出するよりも遥かに少量であり、一般的には植物の二酸化炭素排出量が最も少ないという。

 ランセット誌に掲載されたレポートの著者の1人、EATのブレント・ローケン氏は、このレポートは、最適な食事を実現するための様々な要因を詳説していると語りつつも、政策立案者や食品加工会社と手を取り合い、様々な地域に合わせて最適な食習慣を調整し実践する方法の考案には非常に大きな困難が伴うことを認めている。

By CANDICE CHOI, AP Food & Health Writer
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP