昆虫食、粉から主流化する? パン、菓子に使われるコオロギ、蚕パウダー

◆昆虫食が健康によいとされる研究報告
 この蚕パウダーの栄養価はどのようなものなのだろうか。蚕パウダーには最大55%のタンパク質が含まれていて、学術調査によると、血糖値や血圧にポジティブな効果をもたらすことが示されている(Food Ingredients First)。蚕は繊維、ビタミン、ミネラル、そしてタンパク質が詰まったスーパーフードである。豚肉や鶏肉と比べて、カイコは2倍の必須アミノ酸を持ち、野菜の2倍の繊維が含まれるなども伝えられている。

 一方、コオロギ・パウダーが腸に良いと言う研究結果も報告されている。米ニュースサイト『Science News for Students』は、繊維が腸内に住む善玉菌の食料となると伝えている。ウィスコンシン大学マディソン校のGlobal Health Instituteに勤務する研究者、ヴァレリー・ストゥル氏は、20人の成人を対象に実験した。コオロギ・パウダー摂取により、147の細菌種のうち15種類が変化したという。そのうちの1つは下痢や他の病気を予防するもので、5.7倍に増加。また有害微生物の数が減ったと報告している。

◆コオロギ・パウダーが5年で安価に
 その高価なコオロギ・パウダーだが、今後5年以内に価格が大幅に下がるという情報もある。

                                                                                                                 

 米ニュースサイト『FoodNavigator-USA』によると、タンパク質が68%のコオロギ・パウダーを販売するカウボーイ・クリケット・ファームズは、1ポンド(約0.45㎏)を49ドル(約5,500円)で販売している。代表のジェイムズ・ローリン氏は、「料金は生産コストが高いこと、単純な経済が相まって、金額に響いている。需要は非常に多く、供給を超えている。自社製品の生産で需要に応じるため、卸売りの問い合わせも大量に受けているが対応できない」と言う。

 現在、農家に技術提供などをしてアウトソーシングをし、マーケティングや流通に力を入れて、増産を目指している。今後5年間で1ポンドあたり15〜20ドルの小売りを目標としているという。

 コオロギ・パウダーには、意外なことに、ベジタリアンやビーガンからのリクエストがあるそうだ。顔がついている生き物ではあるが、健康上タンパク質を取る必要があることや、サステナビリティに反しないことなどが理由とされる。またこちらの会社では、気温を下げてコオロギを眠らせてから凍らせるので、人道的とも言えるそうだ。栄養価から、アスリートや、子供に与えたい親にも人気があるという。

Text by 鳴海汐