オランダの「ごみ釣り」ツアーが大盛況 お金を払って運河をキレイに
世界中で、河川や海のプラスチックごみの問題がクローズアップされている。タイで6月、胃に80枚(重さにして8kg)ものプラスチック袋を飲み込んでいたゴンドウクジラが、救助されて5枚を吐き出した末に死んだと複数のメディアが報じた。プラスチック袋のせいで栄養を正しくとることができなかったと見られている。
WWF(世界自然保護基金)は、地中海がプラスチック汚染の影響をとても強く受けており、浄化を行うとともに、使い捨てプラスチックやマイクロプラスチックの使用をやめるべきだと報告するなど(AFPBB News)、プラスチックごみ問題はいまや世界的な問題になっている。
◆運河でプラスチックやごみを釣る
こういった状況を改善しようと、川岸やビーチ、また水中のごみを集めるイベントが世界各地で開かれ、多くがボランティアによって実施されている。そんななか、オランダ・アムステルダムでは、有料のツアー体験として行われる水辺のごみ拾いがとても楽しいと、大きな人気を集めている。
マリウス・スミットさんが2011年1月に設立した「プラスチック・ホエール(Plastic Whale)」は、アムステルダムの運河でボートに乗りながら、網で水中のごみ(プラスチック以外もすべて)を拾う2時間ツアー(オランダ語または英語ガイド付き)を開催している。参加に年齢制限はなく、1人約3,300円でお茶とスナックつき。冬場も開催していて、毛布が用意されている。オンライン予約も可能だ。
予約のコメント欄を見ると、「社会貢献になる活動は素晴らしい」「ほかの参加者と話せて楽しかった」「ガイドさんがとてもよかった」「小さいボートなので、普通の観光船が行けないところへ案内してくれた」「子どもも楽しめる」「アムステルダムに旅行したら、このツアーはすごくおすすめ!」と、ポジティブな意見が並ぶ。観光客だけでなくアムステルダム市民も参加しており、設立から今春までに集めたペットボトルの総数は14万本を超え、ごみは3千袋近くにまでなった。
プラスチック・ホエールの活動に共感する人が多いのは、8月初め、アムステルダムで毎年行われるLGBTのパレード「運河パレード」後のキャンペーンを見てもわかる。80艘を超える派手な飾りのボートが運河の上を進むパレードが終わった翌日、同社の呼びかけに集まったボランティアたちが運河の掃除をしており(要事前申し込み)、今年は278人もが参加した。31艘のボートで集めたごみは213袋、ペットボトルは3,255本に上った。
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