「ベジタリアン」「ヴィーガン」ではなく「プラントベース」が注目を集める理由
「ヴィーガン」「ベジタリアン」そして「プラントベース」という用語は、厳密に区別されているわけではない。しかし、一般的に「ベジタリアン」は肉類を一切食べないという意味だが、「ヴィーガン」は乳製品や卵を含む動物由来の原材料を一切口にしないことを意味する。
特定の食品や製品を指す場合、「プラントベース」という用語は、より厳格な「ヴィーガン」の定義の意となるが、必ずしも常に明確に区別して使用されるわけではない。より広範な食習慣について言えば、「プラントベース」は通常、野菜中心の食生活を意味するが、肉や魚が含まれる場合もある。このように明確な定義が欠落しているため、プラントベーストフードアソシエーションは「プラントベース」という用語の定義付けに取り組んでいる。
肉を使用しないでパティを製造する、また別のメーカーであるビヨンドミートは、肉食を好む人たちにも納得してもらいたいという願いを込めて、「ヴィーガン」や「ベジタリアン」の用語を使わないようにしている。ビヨンドミートは、同社が「ペナルティーボックス」と呼ぶスーパーマーケットの冷凍ベジタリアンフードの売り場ではなく、肉売り場に陳列してもらうことに力を入れている。
さらに数週間のうちに、新しい液体の鶏卵の代用品が生鮮食料品に入荷する予定であり、この製品のボトルには「植物由来の製品」である旨のラベルが貼られる。この「ジャストエッグ(訳注:植物タンパクから作られたスクランブルエッグ)」という製品は、鶏卵と並行して販売されることになるが、「ヴィーガン」の用語は製品のどこにも見当たらない。
「プラントベースは実際に美味しい食品であるという認識がより一層定着した」とジャストの最高経営責任者であるジョシュ・テトリック氏は言った。
ケロッグは、ベジタリアンのブランドとしてより広く定着しているモーニングスターファームズを保有しているが、同社のマーケティング幹部であるディック・ポディアック氏は、モーニングスターファームズでは、「ベジー」もしくは「ヴィーガン」という用語を引き続き使っていると語る。その理由は、より多くの人たちがこれらの用語を理解しており、例えば卵などの原材料が使用されているかどうかについての混乱を避けるのに役立つからだという。
しかし、モーニングスターファームズは同時に「プラントベース」という用語も次第にマーケティング活動に組み入れつつある。ポディアック氏は、同社は、人々が雑誌の記事で読んだり、食事療法士から聞いたりするであろう「プラントベース」というライフスタイルに同社の製品がフィットすることを伝えていきたいのだという。
ブランディングエージェンシーであるPS212のニック・コンティス氏は、「プラントベース」という用語はより広い訴求力を持つ可能性を秘めているが、同時にまた、従来の古いコンセプトに対し、単に新しい用語を当てはめただけだろうと思う人もいると語った。
そして、コンティス氏は「決して『ベジー』バーガーを食べようとしない人々がいたとして、彼らに『プラントベース』バーガーを見せた場合、突然『おや、私もこれなら食べてみようかな』などと突然言い始める人は誰一人としていないと思う」と述べた。
By CANDICE CHOI, AP Food Industry Writer
Translated by ka28310 via Conyac
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