新国立競技場 海外の反応まとめ
新国立競技場の建設に対して、国内外から様々な意見が飛び交っている。
2020年五輪開催地に決まった東京。この大会で目玉になるのが「新国立競技場」だ。イラク出身で英国在住の建築家ザハ・ハディド氏のデザインが、熾烈な競争を勝ち抜き採用された。新国立競技場では2020年五輪の開会式、閉会式が行われる他、2019年ラグビーワールドカップも開催される。
そんな期待高まる新国立競技場であるが、国内外からはそのデザインを巡って激しい議論が巻き起こされている。
日本の著名な建築家らは、今回デザインされた新国立競技場は「粗大ゴミ」「亀」のようだと痛烈に批判している。
一方で、設計者であるザハ・ハディド氏は、海外メディア「dezeen」のインタビューで、それら意見に反論しており、議論は激しさを増す一方である。
以下、昨今の主要な海外の反応をまとめる。
1)新国立競技場は「粗大ゴミ」…日本人建築家の批判に、設計者ザハ・ハディド氏が反論
アメリカの「ギズモード」は、新国立競技場のデザインとしてハディド氏の案が選ばれると、大きすぎる、費用が高すぎる、不快で嫌なデザインだとして、素早く日本の著名な建築家が批判を始めたと、その経緯を取り上げている。
デザイン修正後も、批判は後を絶たたず、建築家の磯崎新氏は、スタジアムのデザインを「亀が泳いで逃げるため、日本が沈むのを待っているかのよう」と皮肉を込めて批判している(ガーディアン紙)。
これに対しハディド氏は、「dezeen」のインタビューで反論。「東京が彼らの街であるのは分かる。だが、彼らは偽善者だ」と非難した。
(2020年の東京オリンピックとパラリンピックのため建設される新国立競技場のデザインに対し、抗議の声が鳴りやまないという記事。両者の言い分は理解できなくもないが、議論が噛み合っていない点が非常に残念である。)
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2)新国立競技場は「粗大ゴミ」「亀」 建築家・磯崎新の発言に海外メディア注目
ガーディアン紙によれば、最初に建築家の槇文彦氏が「大きすぎるのではないか」と疑義を呈すると、伊東豊雄氏、隈研吾氏、藤本壮介氏らが同調、支持署名は3万2000人分に及んだという。
また建築家の磯崎氏は、元のデザインに戻せと主張し、修正案について「ダイナミズムがうせ、列島の水没を待つ亀のような鈍重な姿に失望した」と語っている(オーストラリアの通信社AAP)。また同氏は、報道関係者に対し、「将来の東京は巨大な『粗大ゴミ』を抱え込むことになる」との意見も表明している。
(舛添東京都知事も最近、東京五輪の会場計画を見直したい意向を示しているだけに(AAP)、今後の成り行きが注目される。)
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3)「大きすぎる」新国立競技場を著名建築家が批判 海外からも賛否の声
世界的建築家の槇文彦氏を中心にした建築家グループが、「周囲の景観にそぐわない。大きすぎる」として都内でシンポジウムを開くなどの動きが出てきている。
世界のデザインニュースを伝える『dezeen』の記事などに、イメージ図を見た海外の人から多くの反応が寄せられており、デザインを称賛する声がある一方で、デザインが醜いとの批判的な意見が目立った。
(イラク出身の建築家ハディド氏による、新国立競技場のデザインの賛否を巡る記事。海外の人の間でも賛否のわかれる新競技場のデザインが、今後どういった方向に進んでいくのか、多くの注目を集めている。)
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4)東京五輪のシンボル・新国立競技場が「宇宙船」デザインに決まった理由
開閉式の屋根を備え、流線型で細長く、半透明の素材で覆われた外観はまるで宇宙船のようで、新時代の到来を予感させると報じられている。
デザインの審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏は、ザハ氏の新国立競技場デザインに対して「エントリーされたデザインは力強く、未来志向であり、日本が世界中に伝えたいというメッセージを体現するもの。このスタジアムは次の100年間、スポーツの聖地になり続けると信じている」とコメントを残した
スタジアムのデザインには乗り越えなければならない基準があった。8万人の収容能力や開閉式の屋根を備え、環境に優しく、周囲の景観に溶け込み、円滑な交通を可能にし、2019年ラグビーワールドカップまでに完成させ開催させる、などこれらの要件を満たしたことが、ザハ氏のデザインが採用された要因だ。
(その他の理由に、ザハ氏の日本での豊富な経験があがっている。国際オリンピック委員会のメンバーで、日本オリンピック委員会会長でもある竹田恒和氏も、「とても活気に満ち溢れている。2020五輪の素晴らしいシンボルとなるだろう」と期待感を露わにしている。)
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