外国人労働者×受け入れ 海外の反応まとめ
近い将来訪れる日本の労働力不足という問題を、移民制度は解決できるだろうか。
近い将来、人口減少が深刻化する日本では、担い手不足が危惧される農業や労働集約的な看護や福祉サービスを中心に、労働力不足の問題に対する政策が急務となっている。
日本の人口減少という現実から目を背けられない状況の中、日本政府は移民により労働力を補うという考えを本格的に議論しなければならない段階にきている。
日本政府は移民政策にはまだ批判的であるが、海外メディアや有識者は、様々な角度から移民制度の優位性を語り始めている。
しかし、一部の海外メディアは、現行制度のもと移民政策を成功に移すことは難しいと批判的だ。
以下、昨今の主要な海外の反応をまとめる。
1)財政再建のためにも、移民受入が必要 治安や雇用に関する誤解をとき、ドイツに学ぶべき
政府は、50年後に移民の受け入れを前提とせず1億人を維持し、成長率2%を達成するという目標を掲げている。1000兆円を超える国債を返済するためには人口1億人は死守しなければならないが、これは現実的だろうか
日本と同様に少子高齢化によって人口減少と経済縮小の懸念があるドイツでは、果敢に移民受け入れを実行することで問題を克服し、ヨーロッパの中心国としての地位を保ち続けている。
移民受け入れについては根強い反対論があるが、その代表的なものに、犯罪が増加するという意見がある。これは、移民は途上国の最底辺の人々であり犯罪予備軍だ、という偏見からくるものだ。しっかりした移民制度を構築し、選別の上で受け入れた正規の移民については心配する国はない、と毛受(めんじゅ)敏浩氏(日本国際交流センター執行理事)はいう。
また同氏は、移民が職を奪うという意見に対しても、不足する人材を補うために移民を受け入れる限り、日本人の職を奪うということは起こらないと断言する。
(人口減少によって人手不足は長期化していく。日本が移民政策を構築しなければ、深刻化する労働者不足によって、非合法のルートから外国人の入国が増加し、定住化が進む可能性がある。人口減少を乗り切るには、既存の政策だけでは不十分で、中長期の視点から日本にとって望ましい人材を人数、資格などを限定した上で受け入れる移民政策の立案ことこそが必要だ。)
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2)日本、外国人メイドの受け入れ拡大検討 特区など移民戦略に海外紙の関心高まる
政府は、東京圏(東京都・神奈川県・千葉県成田市)、関西圏(大阪府・京都府・兵庫県)をはじめとする全国6つの国家戦略特区で、外国人労働者の受け入れを拡大する検討を開始した。
フォーブス誌によれば、現行制度は研究者や専門性の高い技術者を「高度人材」と定めて受け入れているが、これに該当しない人は「単純労働者」となり、原則的に日本で働くことができないという。
フォーブス誌は、大前研一氏が月刊誌『SAPIO』に寄稿した、3段階から成る大胆な移民受け入れ策を紹介している。第1段階として、世界でも最も革新的で価値を生み出している人々を毎年1000人呼び込む。第2段階は、不足が見込まれる医師、看護師、老人介護者、法律家、消防士が対象で、年間10万人を募集する。最後の第3段階では、「常勤雇用の労働者」を募集する。重要だがハードな建設労働や漁業に従事してもらい、年間30万人の移民を受け入れる。2年間の語学研修等を義務付け、永住ビザを与えるという。
(フォーブスの論説員は、“貴重な若者に老人の介護をさせるのは無駄”という大前氏の見解には、ある程度の説得力があるが、特に第3段階が政策として採用されれば困惑するだろうと述べる。安倍政権の慎重なアプローチの方を支持したいとコメントしている)
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3)日本の外国人労働者受け入れ拡大は失敗する…“給料減らしの手段”と海外識者が批判
ブルームバーグのコラムニスト、ウィリアム・ペセク氏は今回の措置について、このままでは成功は見込めないだろうと述べる。
外国人の多くは日本人より給料が安く、震災復興やオリンピック建設の特別手当もないし、本国には仕送りもしなくてはならず、労働者本人が日本で使える額はさらに減る。結局、外国人の雇用は日本企業にとって給料を減らすための手段に過ぎない。これでも外国人労働者を呼べるなどと考えるならば、それはアベノミクスの「パラドックス」であるという。
(日本が多くの外国人労働者を惹き付けるには、優遇税制や、リスクを厭わず挑戦できる若者を育てるような教育改革を含む規制緩和、コーポレートガバナンスのグローバル化、年功制廃止などの実現が必要だと同氏は主張している。)
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4)「五輪のために労働力はほしいが、移民は嫌」 日本の鎖国姿勢を海外紙が批判
ブルームバーグによると、さしあたり2020年オリンピック関連の建設を間に合わせるため、政府は30万人必要とされるうちの半分、外国人建設労働者をアテにしているという。ま
また、同メディアは、「従来日本は移民制限が強く、国民もまた「旅行者は歓迎しても」移民は嫌っている。徳川幕府の長い鎖国政策もそうした文化の一因とのことだ」と批判している。
フィナンシャル紙も、移民(および女性労働力)増を公約していたはずの安倍首相が、テレビ番組で「移民を受け入れた国では、多くの摩擦があり、多くの不幸がありました。新参者にも既存住民にもです」と、移民反対を明言したことを報じた
(今や日本のコンビニ業界や外食産業を見ても、外国人労働者の重要性は増している。また、日系ブラジル人などを多数集めた企業城下町において、不況で工場が閉鎖され大量帰国を余儀なくされる場合もある。ある専門家は、オリンピックで外国人客がきたとき真に世界に開かれている日本を目にするようでなければならない、と訴えている。)
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