発見から16年後 世界で初めて撮影に成功した新種のサメ
画像はイメージ(Flicker/ Elizabeth Roberts )
海洋専門誌「Oryx」に掲載された研究によると、2024年11月、インドネシアとオーストラリアの間に位置する東ティモールの首都ディリ沖で、水深約570mと536mに生息する新種のサメの生きた映像が世界で初めて捉えられました。
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深海ザメの撮影に成功
このサメはナヌカザメの仲間で、セファロスキュリウム・ピクタム(Cephaloscyllium pictum)というサメ。
初めて発見されたのは2008年のことです。
インドネシアのロンボク島とバリ島の魚市場で5匹の個体が目撃され、回収されました。
研究者たちは、このサメの最大サイズが小さく、独特の色彩を持つことから新種と同定したものの、その後このサメの生きた姿を見ることはありませんでした。
しかし発見から16年後、ついに深海を泳ぐ姿が2回も撮影されたのです。
東ティモールで撮影された映像では、新種のサメがカメラの近くを旋回し、何度か視界に入ったり入らなかったりした後、カメラに近づいている様子が捉えられています。
研究者が述べた通り、薄茶色のサメは比較的小さく見え、体には白い斑点が散らばっているのがわかります。
現在、このサメは国際自然保護連合(ICUN)のレッドリストで「データ不足」に分類されているといいます。
特に、このサメのように深海種の生態や生息地、行動については、ほとんど情報がないのが現状だそうです。
発見から16年ぶりの世界初となる映像は、今後の研究に非常に重要となります。
Mongabayによると、今回の水中調査では、「ナショナル・ジオグラフィック協会探査技術研究所(NGETL)」が開発した低コストで軽量の深海カメラが使用されたとのこと。
このシステムは、水深6,000mまで環境データを収集し、4K高解像度ビデオを撮影するように設計されており、深海環境を調査する新たな方法として研究者たちは役立てているようです。