「琥珀にクマを彫ると魔力が吹き込まれる」 見た目がグミの彫刻
画像はイメージ(Flicker/ Tom Lianza )
ポーランドで発見されたグミキャンディのような色と形の小さなクマ。
実は後期旧石器時代(5万年から1万2千年前)の琥珀でできた魔除けだということが判明しました。
石器時代の狩人のお守り?
W muzeachが伝えています。
ドイツとの国境近くにあるポーランドの港町シュチェチンの国立博物館には、今や地元のシンボルとして地域住民に知られている、ちょっぴり風変わりなクマの彫刻が展示されています。
そのクマは、オレンジ色の琥珀でできているそうですが、見た目がグミキャンディのよう。
この琥珀クマは、1887年にポーランド北部スウプスクで泥炭を掘っていた作業員によって発見されました。
長さ10.2cm、高さ4.2cmの琥珀クマには、耳や鼻孔、目などが精巧に彫られており、胴体には紐を通すための穴が空けられています。
琥珀クマの名前はスウプシオ。
「スウプスクのチビ」という意味を持っていて、2013年にポーランド在住の幼稚園児によって命名されたそうです。
第二次世界大戦末期には、他の多くの遺物と共にスウプシオもドイツへ持ち出されましたが、2009年にポーランドへ返還されました。
2023年の研究で、この遺物は後期旧石器時代(5万年から1万2千年前)のものである可能性が高いことが結論づけられました。
当時、クマはこの地域に生息していた最も強力で危険な動物。
琥珀は、石のように見え、磨くと半透明になり、燃やすと香ばしい香りがする他、海水にも浮く天然素材です。
「その琥珀にクマを彫ると魔力が吹き込まれる」と古代人は信じており、スウプシオは石器時代の狩人の強力なお守り・魔除けとして身につけられていた可能性が高い、と研究者たちは推測しています。
また、琥珀のクマは、洞窟画や携帯品に動物を表現した旧石器時代の伝統をさらに証明する貴重な遺物になるということです。