高地で発見された新種のカエル3種 同じ種類でも皮膚の色に個体差
画像はイメージ(Flicker/ Mateja Bedenčič)
エクアドルのアマゾン高地で新種の渓流性カエルが発見され、詳細が学術誌「ZooKeys」に掲載されています。
論文提供サイトの創設者にちなんで命名
今回見つかったカエルは全部で3種で、ヒロスキルタス・エルバキアナエ(Hyloscirtus elbakyanae)、ヒロスキルタス・マイク(Hyloscirtus maycu)、ヒロスキルタス・ディスパーサス(Hyloscirtus dispersus)が記載されました。
この「ヒロスキルタス・エルバキアナエ」という学名は、学術論文を無料で提供するサイト「Sci-Hub」を創設し、低・中所得国の研究者に知識へのアクセスを広げたアレクサンドラ・エルバキアンさんの功績にちなんで名付けられました。
掲載された写真を見ると、この種は黄色い足や大きな目を持ち、緑から茶色系の多様な体色、皮膚の模様や質感のバリエーションがあることが分かります。
3種はいずれも鳴き声(音響的特徴)と外部形態(体の構造や形)において、他の既知の近縁種と明確に区別されました。
一方で、皮膚の色彩は同一種内でも大きな個体差があるのが特徴で、生活環境に応じて変化したものと考えられています。
また、およそ1,400万年前にアマゾン地域から太平洋側へ二度の移動があり、アンデス山脈が種の進化と分布に大きな障壁となっていることが示されているそうです。
「この発見は、山間部の湿潤な森の生物多様性への理解を深め、環境脅威に直面する生態系の保全を強調している」と、研究の筆頭著者であるアンドレア・バレラさんはコメントしています。