「これほど素晴らしい状態は見たことない」 海岸崖下から2800年前の短剣

画像はイメージ(Flicker/ Justin Ruckman

ポーランドのバルト海沿岸で嵐によって崩れた海岸崖の下に埋まっていたのは、保存状態が素晴らしい約2,800年前の短剣でした。

【画像】「嵐がなかったら…」見つかった2800年前の短剣

ポーランドで発見された2,800年前の装飾短剣

この短剣は、金属探知機愛好家が発見したものです。

全長約24cmで、星や三日月、十字のような装飾が刻まれており、ハルシュタット文化に属する鉄器時代初期のものとされています。

美しい彫刻が施されたこの短剣は、非常に良い状態で保存されていました。

発見者はすぐに博物館に連絡。その後、博物館が短剣を引き取りました。

博物館の館長は、「短剣は芸術作品のような質の高い金属加工技術を示す逸品」「ポーランドで、これほど素晴らしい装飾短剣はこれまで見たことない」とSNSの投稿でシェア。

なにより、その精緻なデザインや高度な金属加工技術が、当時の職人技術の高さを物語っているようです。

一部の専門家の推測では、短剣が太陽崇拝に関連する「太陽崇拝の儀礼用具」だった可能性があるとか。

現在、研究者たちはこの短剣の合金成分(銅やスズなど)を分析しています。

その過程で、実際に使用された形跡があるかどうか、もし使用されたのであれば戦闘時の武器としてか、儀式専用だったのかを明らかにする予定だそう。

また、この短剣がポーランド国内で製造されたのか、南ヨーロッパから輸入されたものかも調査しており、調査完了後は地元の博物館で展示されるということです。

Text by 都築ミロ