20年以上ペットとして流通していたザリガニ 新種と判明
画像はイメージ(Filippo antinori1223/ Wikipedia Commons )
チェコのプラハ・チェコ生命科学大学などの研究者によって構成されたチームが、ザリガニの新種を発見しました。
【画像】「バターを付けたら美味しそう」新種と認定されたザリガニ
その詳細は、学術誌「Zootaxa」に掲載されています。
20年以上にわたりペット用として流通
今回発見されたのは、新種の淡水甲殻類「Cherax pulverulentus(ケラックス・プルベルレントゥス)」。
2023年3月、研究用として購入されたインドネシア産ザリガニを観察していた際に偶然発見されました。
同種は、過去20年以上にわたり「ホア・クリーク」や「イリアン・ジャヤ」「ブルー・ムーン」「ダスティ・クレイフィッシュ」などの名称で観賞用としてペット市場に流通していた生き物です。
インドネシア領ニューギニア島の淡水域に主に生息していますが、正式な種としてはこれまで記載されていませんでした。
ターコイズブルーの体に紫の斑点を持つものと、濃い青から黒に近い体色で関節や尾がオレンジ色を帯びるものの2つに分類されます。
いずれも体長は最大約5㎝で、なめらかな体表、大きな目、大きなハサミが特徴です。
研究チームは脚の構造や体の比率、斑点模様などの形態的特徴を詳細に観察。
DNA解析から、近縁種との間に少なくとも2%の遺伝的差異があることを確認し、独立した新種であると結論づけました。
野生では川底に穴を掘って暮らすとされているものの、生態や分布には依然として多くの謎が残るのが現状です。
また、ハンガリーの温泉地で野生化した個体が確認されるなど、分布の解明と飼育個体の影響を明らかにするため、さらなる研究の必要があるということです。
この発見にSNS上では、「バターを付けたら美味しそう」「そんなに小さいザリガニじゃ、お腹いっぱいになるには山ほど必要だね」といった冗談交じりの声も見られました。