「大量に見つかるのは極めて異例」 スポーツ施設の改修工事で発掘された150体の人骨
画像はイメージ( Nicholas Gemini/ Wikipedia Commons )
オーストリア・ウィーンで、ローマ時代の集団墓地だったと思われる場所から150体の人骨が発見されました。
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この詳細は、ウィーン博物館の公式サイト「Wien Museum Magazin」で公表されています。
集団墓地から150体の人骨
これらの人骨は、市内のスポーツ施設を整備工事している際に偶然発掘されました。
現在までに、少なくとも129体のほぼ完全な人骨が確認されており、破片を含めると150体を超えると見られています。
遺体はすべて成人男性で、身長はいずれも170cm以上、主に20〜30歳の若者。
当初は、疫病や処刑による大量死の可能性も考えられていました。
しかし剣や槍、鈍器による打撲傷や切創など、外傷を負っていたことから、処刑ではなく戦闘による死であった可能性が高いといいます。
この発見を歴史的に位置づけるにはさらなる調査が必要で、DNAや同位体、花粉、墓地周辺の地形など多方面からの分析が計画されています。
またローマ兵に加え、ゲルマン系の戦士が含まれている可能性もあり、ローマ人とゲルマン人による戦闘の結果だと考えられています。
現地の考古学者は、「戦闘に関わったローマ時代の兵士の遺体が、これほど大量に見つかるのは極めて異例」と述べ、従来のドイツなどでの戦場跡とは異なる性質の発見だと指摘しています。
この発見に対しネット上では、「なんと素晴らしい発見。考古学にとって、まさにゲームチェンジャーです」「これは本当に驚くべき発見。長い間地中に埋もれていた兵士たちの遺骨が見つかったことに感動しました」といった声が寄せられています。