1mほどの密閉された床下で10年ほど生きていたカメ 甲羅は変形
画像はイメージ(Flicker/ Diego Tirira )
住宅の床の下という密閉された状況で発見されたカメは、甲羅を変形させながらも10年近く生き延びていたことがわかりました。
カメが10年近く生きていた場所
2025年2月7日、ブラジルに住むある夫婦は、家の湿気問題を調べるために業者を呼びました。
床の下に空洞があることを指摘した業者が、水漏れを見つけようと床の緩んだタイルを叩き割ったところ、そこにカメがいたのです。
夫婦も業者も、唖然。
夫婦の家の裏にある外溝は10年近く前に建てられたもので、カメはそのときに家の裏に敷いた砂利の中に混じって、床下に入ってしまった可能性が高いといいます。
地面と床のタイルの間隔は、1m程で隙間なく密閉された状態です。
カメを取り出してみると、長い間セラミックのタイルに押し付けられていたのが原因か、甲羅が変形していました。
発見されたカメは、キアシガメ(Chelonoidis denticulata)だと推測されています。
キアシガメはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストによると危急種に指定されている生物。
この種は動物と植物の両方を食べ、同じような大きさの哺乳類と比べて代謝がかなり遅いと言われています。
床下で、カメは土の中に潜る昆虫を唯一の餌としていました。
消化に時間がかかるため、長い間食べずに過ごすことができ、わずかな食べ物でエネルギーを節約して休眠することができたからこそ、生き続けることができたようです。
海外メディア「g1」などによると、またほぼ密閉された状態でも、わずかな酸素とカメにとって重要な水と湿気が入り込んでいたため、生存が維持できたと専門家は話しています。
カメは、長い間床下で過ごしたため光に非常に敏感になっているとか。
間もなく地元の専門家に引き取られる予定だということです。