車椅子利用者が切実な訴え マナーが守られていない多目的トイレの実情
駅やデパート等、公共の場における多目的トイレの数は年々増え続けています。
その割には、まだ利用した事がなく、自分には関係が無いと思っている人が多いのではないでしょうか。
病気や怪我、育児等によって多目的トイレを使うことは誰にとっても有り得ます。
それにも関わらず、多目的トイレのルールやマナーは普遍的に知られているとは言い難い状況です。
車椅子利用者が多目的トイレマナーについて訴え
Xユーザーの浅葱さん(@havhiware0418)は「多目的トイレで困ったこと」を投稿し、X上で話題になりました。
浅葱さんは普段から車椅子で移動しており、投稿によるとその日利用した多目的トイレでは多目的シートが開いたままの状態だったため、車椅子でトイレに入ることができなかったといいます。
車椅子ユーザーが1人でシートを畳むことは難しいため、まさに八方塞がりな状況でした。
これを受けて浅葱さんは「多目的トイレのベッドは使用後、元に戻しておいてください」と切実なお願いを訴えています。
ベッドの裏側には車椅子ユーザーのためにシート利用後は元に戻すよう指南が書かれていますが、一度広げてしまうと目に入らない設計です。
そのため、実際にシートを利用する人でもルールを知らず、開いた状態が標準だと勘違いしてしまうケースもあるとのこと。
これに対し、浅葱さんは「シートの利用方法をシート本体だけでなく壁にも貼って欲しい」と施設側に要望を送ったといいます。
また、車椅子ユーザーとして生活する中で不便はあるかとNewSphereが質問したところ、浅葱さんは十分に配慮されていると感じると回答した一方で、「場所によって、バリアフリーと書いてあっても実は入れない、車椅子が通れないということがあるので、そういう部分は変わるといいなと思っています」とコメントしました。
多目的トイレを初めとしたバリアフリー設備は、ただ設置するだけで目的を達成できる訳ではありません。
利用者と利用者に関わる人々が適切にその役割を理解して初めて効果を発揮するのです。
インクルーシブな社会を目指すためには、私たち一人一人がバリアフリーを身近なものとして捉え直す必要があると言えます。