「日本がリーダーになれると示した」安倍首相の海外メディア評価
ニルソン=ライト氏は、これまでの日本の首相は外交政策では外部の出来事に反応して腰を上げるかアメリカに追従するだけだったが、外交的革新者であり戦略的思考を持った安倍首相は、従来路線と決別したとする。インドやオーストラリアとの戦略的パートナーシップ、東南アジアとの防衛協定、英仏との安全保障と防衛協力、「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」などに、その変化が表れているとしている。米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は、安倍首相は、日米同盟の強化と、集団的自衛権行使容認による日本の国際貢献の拡大に努めたことによって、後世に記憶されるだろうとしている。
中国に対しては13年12月の靖国神社参拝で関係が悪化したものの、18年10月には北京を訪問し、着実に慎重に関係修復を図ったとイースト・アジア・フォーラムは指摘する。トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」という難題に対処しつつ中国との関係を改善したことは外交的加点だとしている。
◆アベノミクスはナイストライ、でも成果はわずか
経済に関しては、健闘は認めるとしながらも、アベノミクスの失敗が指摘されている。FTは、安倍時代に経済成長や雇用が改善したのは事実だとしているが、消費税増税で国債買い入れの効果の一部が吹き飛んだと述べている。
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