罰金・賠償金800億円…トランプ氏に噂される「資金難」
アメリカ・ニューヨーク州で行われていたドナルド・トランプ前大統領の不動産税不正申告に関する詐欺罪の民事訴訟裁判で16日、同州マンハッタン高裁のエンゴロン判事から同氏に3億5500万ドル(約533億円)の罰金と、同州内における3年間のビジネス禁止が申し渡された。またトランプ氏の2人の息子、ドナルド・トランプ・ジュニア氏とエリック・トランプ氏にもそれぞれ400万ドル(約6億円)の罰金と、同州での2年間のビジネス禁止が申し渡された。CNBCによると、トランプ氏は罰金に加えて、年率9%の判決前利息として9800万ドル(約147億円)の支払いも命じられたという。
トランプ氏は別件のレイプ事件に関する名誉棄損(きそん)の民事訴訟裁判で、原告のジーン・キャロル氏に8330万ドル(約125億円)の損害賠償支払いを命じられたばかりだ。前述の罰金と利子、そして賠償金を合計すると約5億3630万ドル(約804億円)という膨大な額となる。
◆トランプ氏が保有する現金は4億ドル前後
トランプ氏は自称「ビリオネア」だが、資産のなかには多くの不動産が含まれており、同氏がこの罰金や利息、賠償金を支払えるだけの現金を持っているかどうかに注目が集まっている。民事訴訟や刑事裁判の弁護費用や罰金に追われ、トランプ氏の資金が底をつきかけているのではないか、という説も聞かれる。
米政治専門サイト『ポリティコ』によると、トランプ氏は昨年行われた裁判の宣誓証言で「4億ドル(約600億円)をかなり上回る現金を持っている」と証言した。つまり、同氏が保有する現金総額は、支払わなければならない金額を1億ドル前後も下回っている可能性があり、そうであれば不動産や株などの財産を売却する必要が出てくる。4億ドルの現金資産額が正確かどうかは定かではない。また罰金額だけではなく、相次ぐ訴訟のための弁護士費用もばかにならない。報道によると、2023年にトランプ氏が支払った法務費用は5000万ドル(約75億円)以上だという。
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