英、国際結婚できるのは金持ちだけに? 家族ビザ申請の最低年収、大幅引き上げへ

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◆外国籍者の国外追放も
 最初の申請ではイギリス人の収入のみが評価される。現行の1万8600ポンド(約336万円)でさえ、何千もの家族がイギリスから国外追放され、子供たちが親から引き離されたりした。

 たとえば、ホンジュラス出身のエルビンは6ヶ月の観光ビザを持っていたため、息子のベンジャミンが生まれる1ヶ月前にイギリスを離れなければならなかった。最終的にエルビンとイギリス人の妻は2022年に家族ビザを取得した。「夫をイギリスへ連れてくるために、私たちは6年間戦い続けました。今、彼は週7日工場で働き、次のビザの資金を確保するために残業をしているのです」。ホンジュラス出身のエルビンは、新しい規定では家族と永住することはできないだろう。(ガーディアン紙、12/10)

 イタリアに居住するイギリス国籍のジョージーは、イタリア人の夫とともに科学者で、2020年12月に結婚し、定住のためにイギリスに移住する予定だった。しかし、イギリスの大学で研究助手として3万8700ポンドを稼ぐことは非常に難しく、一般的な給与はそれを下回るのが普通だ。ジョージーは「基本的に、イギリスに来ることは不可能ではないにせよ、とても難しい状況に追い込まれている」と言う。(BBC)

 すでにイギリスに定住している人々がビザ更新の際、新しい規定が適用されることを懸念している。オックスフォード大学移民研究所の研究者であるベン・ブリンドルは、「政府は通常、すでにイギリスに滞在している人々に新規定を遡及適用することはないので、これは非常に驚くべきことです」と言う(ガーディアン紙)。

Text by 中沢弘子