「マクロン後継者」調査で躍進、34歳ガブリエル・アタル教育相の型破りさ

ガブリエル・アタル氏|Pierre Galan / Shutterstock.com

◆年齢だけではない型破りさ
 現在フランス政府はようやく学校のいじめ問題に本気で取り組もうとしている。日本と異なり、フランスでは政治家は定期的にラジオやテレビの討論番組、ジャーナリストによるインタビュー番組に出演し、国民に向けて政策をわかりやすく解説するのが常だ。

 アタル教育相も5日にTF1のテレビ番組に出演し、いじめ問題とその対策をインタビュー形式で答えた。毎週日曜夕方に放送されるこのインタビュー番組の平均視聴者は450万人以上である。大きな反響を呼ぶことが確実なこの番組で、教育相は学生時代、自身もいじめを受けた経験があると告白した。感情をこめて、しかし完全に抑制された表現と真摯な口調で語る教育相の告白を、政治コミュニケーションの専門家らは「素晴らしいコミュニケーション戦略」だと評価している(20minutes紙、11/6)。

 今後、フランス政治の中枢に長く関わると思われるガブリエル・アタル教育相。今後の動向に注目したい。

Text by 冠ゆき