「マクロン後継者」調査で躍進、34歳ガブリエル・アタル教育相の型破りさ
フランスの現大統領エマニュエル・マクロンは初当選時には39歳、2期目に入った現在でも45歳。日本から見ると驚きの若さだが、フランスにおいても例外的で史上最年少の大統領であった。だが、もしかしたらこの記録が塗り替えられる日も近いかもしれない。
◆34歳の教育相ガブリエル・アタル
現在フランスの教育相(国民教育・青少年大臣)を務めるガブリエル・アタルは、1989年生まれ、現在34歳という若さだ。2020年7月から2022年5月まで続いたジャン・カステックス内閣時代に務めた政府スポークスマンの印象が強いが、政治家としてはそれより前から活動しており、最初に閣僚補佐官となったのは、2012年の23歳の時だった。
フランスの大統領の任期は5年で、連続した任期は2期までとされている。現在2期目のマクロン大統領の任期は2027年までで、2027年には新しい大統領が生まれる。
◆2027年大統領選の候補?
次の大統領選まで3年半となった現在、すでに各メディアは投票意向を問う世論調査などを発表し始めている。たとえば、フィガロ紙の依頼を受けたフランス世論研究所(Ifop)が10月末に発表した世論調査によれば、マクロン大統領陣内の政治家で、有権者の投票意向割合が最も高いのはエドゥワール・フィリップ元首相(25%)。それに続いたのがガブリエル・アタル教育相(19%)で、ブルーノ・ルメール経済相(18%)、ジェラルド・ダルマナン内相(16%)を上回った。しかも、フィリップ元首相やダルマナン内相とは異なり、アタル教育相自身は次の大統領選についてまだ何の野心も表明していない。
ちなみにこの世論調査において、有権者の投票意向割合が最も高かったのは、極右政党である国民連合の元党首であるマリーヌ・ルペン氏(31~33%)だった。左党はといえば、いずれも支持率を大きく落とし、最も投票意向率の高い元左翼党党首ジャンリュック・メランションですら14~15%のみという結果だった。