トランプ氏の逮捕・起訴、アメリカ人の反応は? 大統領経験者で初
米ニューヨーク州マンハッタン地区の大陪審は3月30日、ドナルド・トランプ前大統領を34件の重罪で訴追した。不倫関係を持っていたポルノ女優のストーミー・ダニエルズ氏に対し、2016年の大統領選前に13万ドルの口止め料を支払ったことによる選挙運動資金法違反と、そこから派生した数々の罪状である。危惧されていたフロリダ州マール・ア・ラーゴの自宅における逮捕劇はなく、トランプ氏自らニューヨークへ向かった。4月2日に罪状認否が行われ同氏は無罪を主張。その後すぐにマール・ア・ラーゴの自宅へ戻っている。
◆アメリカ人6割が「トランプ訴追に賛成」
予測されていたよりおとなしくニューヨークでの罪状認否に出廷したトランプ氏だが、実は今回の訴追について、自分の支持者が徹底抗戦するのを望んでいるようだ。同氏は訴追前の3月25日、テキサス州ウェーコで選挙集会を実施したのである。BBCによると、同日は1993年に同市で発生し76人が死亡した、新興宗教団体「ブランチ・ダビディアン」によるウェーコ包囲事件の30周年記念日で、この日に同市で意味深な集会を行ったことに非難が集まった。トランプ氏は支持者たちがこの悲劇的な包囲事件と同じような騒ぎを起こすことでも期待していたのかもしれないが、参加者数もこれまでと比べて少なく、盛り上がりに欠けたようだ。
しかし訴追から逮捕・罪状認否までが終了したこの時点で、アメリカでは特に大きな騒ぎもなく物事は比較的スムーズに進んでおり、あっけなく感じるほどだ。2020年の大統領選でのトランプ氏敗北から3年が経過し、トランプ氏が数々の違法行為を行ったということを受け止める人が多くなってきたのだろう。それは世論調査の数字にも表れている。
CNNが4月に行った世論調査によると、調査対象の約6割がトランプ氏訴追に「賛成する」と回答。うち女性は62%、男性は58%だった。この数字だけ見ると過半数だが、結果は支持政党により明確に分かれている。民主党支持者の94%、無所属派の62%が「賛成する」と回答しているが、共和党支持者ではその数字が21%と急落する。それでも共和党支持者の2割以上がトランプ氏訴追に賛成と回答している。
また支持政党だけでなく、トランプ氏訴追を賛成するか否かは人種や学歴でも明確に分かれている。同じ調査によると、賛成と答えたのは人種別では白人系51%、非白人系が75%で、学歴別では大学卒業未満が56%、大学卒業以上が68%という結果だった。つまりこの結果を見ると、大学卒業未満の白人男性が最もトランプ氏訴追に反対しているということで、これはトランプ氏支持層と一致している。
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