資産隠し発覚もケニア大統領はノーダメージ? パンドラ文書とアフリカ
◆ケニヤッタ大統領家族のオフショアネットワーク
ケニアの現大統領ウフル・ケニヤッタ大統領が、金と権力を持った一族出身であることは知られている。大統領の父親であるジョモ・ケニヤッタ(Jomo Kenyatta)は、ケニアの首相および初代大統領を務めた人物だ。ICIJは、初代大統領は在職中の土地取引で財を成したと解説。一族の財産は5億ドル以上と推定される。パンドラ文書によると、ケニヤッタ大統領は、母親のママ・ンギナ・ケニヤッタ(Mama Ngina Kenyatta)が、第一受益者とされるパナマの財団に関与。大統領は彼女が死亡した後に資金と収益を受け取る、第二受益者として名前が記載されている。そして、母親と兄弟は少なくとも6つのオフショア・ビジネスと財団を設立し、資産管理を行っているとのことだ。パナマおよび英領バージン諸島で登記されたこれらのビジネスは、3000億ドル相当の銀行口座と不動産を保有しており、実際の資産は英国と香港に所在している。
アルジャジーラの記事は、今回のリークに関してケニアのメディアの報道は倫理的な問題よりも合法(違法)性の観点での発信を行うことで、ケニアの人々に大きな損害を与えていると論じている。実際、ケニヤッタ大統領は、今回のリークを自身の信頼に対するダメージとは捉えていないようだ。大統領は、パンドラ文書は透明性を高めるものであるといった内容の発言をしている。
2020年には、ケニヤッタ大統領は、汚職と戦うといった内容の声明を発表している。パンドラ文書は、大統領が弁明するように、リーダーらの財務状況の透明性を高めるものになるのだろうか。オフショアに関する、過去最大のリーク文書であるパンドラ文書だが、ケニアの権力者に対するインパクトは限られたものとなりそうだ。
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