ワクチン義務化した国は? 一部職種対象、未接種者への制限強化も

Nathan Papes / The Springfield News-Leader via AP

◆広範囲の職種への義務化
 従事する職業によって新型コロナワクチン接種の義務化を決めた国・地域は少なくないが、なかでもカザフスタンとフィジーが選んだ職種は広範囲に及ぶ。カザフスタンは7月1日、第三者とのコンタクトを要する職種に就く人へのワクチン接種義務化を決めた(ル・モンド紙)。

 太平洋の島国フィジーは7月8日、ワクチン接種義務の対象をすべての労働者と決めた。公務員は8月15日までに1回目、11月1日までに2回目の接種を受けることが求められている。民間企業の従業員は8月1日までに1回目を受けなければならず、いずれも違反の場合は職を失うリスクがある。(AFP、7/9)

◆医療従事者らへのワクチン接種義務
 数でいえば、医療従事者らへのワクチン接種義務を決めた国が一番多い。イタリアでは5月25日という早い時期に、医療関係者へのワクチン接種義務を定める政令が出された。しかし、これに反対するイタリアの医療関係者300人が法に訴えたため、現在審議中だ。(ル・モンド紙)

 イギリスは6月16日、老人ホームの従業員と、老人ホームに出入りする美容師などのサービス業者やボランティアの新型コロナワクチン接種義務化を発表した。議会の承認が下りれば、これらの人々は10月までに接種を完了しなければならなくなる。(GEO、7/13)

 ギリシャではミツォタキス首相が7月12日、遅くとも8月16日から老人ホームの従業員、9月1日から医療関係者のワクチン接種を義務とすると発表した(ル・モンド紙)。

 フランスのマクロン大統領も7月12日のスピーチで、医療や介護にかかわる職種に就くすべての人とボランティアへのワクチン接種義務化を発表した。9月15日までにワクチン接種が終わっていなければ、職を失うことになる。

Text by 冠ゆき