ワクチン義務化した国は? 一部職種対象、未接種者への制限強化も
世界では、新型コロナウイルス変異株による感染再拡大の怖れから、ワクチン接種をさらに進めようと、ワクチンの義務化に踏み切る国も出ている。どの国・地域がどのような決断をしているのか?
◆成人のワクチン接種義務を決めた3ヶ国
成人(18歳以上)のワクチン接種義務を定めている国は、いまのところタジキスタンとトルクメニスタン、バチカン市国の3ヶ国だ。
人口約953万人のタジキスタンでは、公式発表によれば、これまで1万4000人余りの感染者と112人の死者が報告されている。人口比で見ても、日本と比べずっと低い数値だ。ただ、今年6月後半に入ってから、それまで半年以上ゼロだった感染者が突如として増加している。民間クリニックやラボは早々に感染再拡大の警鐘を鳴らしたが、同国保健省は当初これを否定し、「高熱で病院に行く患者は、新型コロナウイルスに感染しているのではなく、結核にかかっているのだ」と発言。このことからもわかるように、同国の新型コロナに関する公式数値は、全容をあらわしていない可能性が高い。実際、同国の昨年の死亡者数は4万1743人と前年より8649人も多い(ユーラジネット、6/21)。義務とされるワクチン接種にしても、いまだ接種を完了した国民は0.2%でしかない。
トルクメニスタンは、感染者ゼロを主張しており、同国の新型コロナに関する数値は存在しない。その一方で同国は7月7日、医学的問題がある場合を除き18歳以上のすべての人々へのワクチン接種を義務にすると発表した(ル・モンド紙、7/13)。
バチカン市国は、2月8日、すべてのバチカン市国住民と職員に新型コロナワクチン接種を義務付けた。違反者は解雇される可能性がある(ル・モンド紙)。バチカンではこれまで27の感染例が報告されているが、昨年10月以来感染者は出ていない。ちなみにバチカンの人口は800人強だ。