「ワクチン未接種者は入国禁止」発表のマルタ、直前に撤回
◆ワクチン接種済みでも入国できないケースも
クリス・ファーン厚生大臣によれば、入国許可の対象となるワクチン接種証明書は、「マルタ共和国の証明書、英国の証明書、EUの証明書」の3種に限られる(20minutes紙、7/9)。つまり、日本やアメリカでファイザーワクチンの接種を完了していても、隔離を免れることはできない。
では、EUやイギリスでワクチン接種を済ませれば入国可能かといえば、そうとも限らない。たとえば、最近、接種したアストラゼネカ社のワクチンがインド製だったため、マルタへの入国を拒否されたイギリス人夫婦の例(インターニュースキャスト、7/14)が話題となった。拒否の理由は、インド製造のアストラゼネカ社ワクチンがまだ欧州医薬品庁に承認されていないからというものだ。
さらに、フル接種の定義も国によってまったく同じではない。たとえば、フランスでは新型コロナウイルス感染経験者は、ワクチン接種一回だけで接種完了とみなされるが、マルタではそうではない。そのため、一度感染したのちワクチン接種を受けた「接種済み」フランス人は、マルタへの入国が許されない。
マルタへの門が狭いことには変わりがないと言えるだろう。
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