「EUが一時停止」 マクロン仏大統領コロナ感染の余波

Charles Platiau / Pool via AP

 12月17日朝、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の新型コロナ陽性が確認された。精力的に公務をこなしていた同大統領のこと、過去一週間の会合、会談の相手はかなりの数に上る。そのうち接触者とみなされるのは誰か? 同国閣僚はもとより、影響は周辺諸国にも及ぶ。

◆フランス政界要人ら自己隔離へ
 大統領府の発表によれば、マクロン大統領が「発熱と、咳、倦怠感」という軽い症状を覚えたのは12月16日夜のことで、ただちにPCR検査を受け、翌日17日朝、新型コロナ陽性という結果が明らかになった。これを受け、同大統領はエリゼ宮を離れ、ヴェルサイユのラ・ランテルヌ館に移動し7日間の自己隔離に入ったが、ビデオ会議などを利用して政務続行を予定している。ブリジット・マクロン大統領夫人は接触者として検査を受けたが陰性。それでも念のため、エリゼ宮で隔離期間を過ごすことを決めた(フランスアンフォ、12/17)。

 フランスの接触者の定義は「マスクなしで(あるいはマスクに代わる仕切りなどなしで)、陽性者と会話あるいは食事をともにする際、1メートル未満の距離にあった者で、時間の長さは問わない」というものだ(フランスアンフォ、12/17)。この接触者にあたるとみなされる者は、当然ながらフランス政界に多く、ジャン・カステックス首相や、国民議会のリシャール・フェラン議長、閣僚のマルク・フェノーらが7日間の自己隔離に入ると発表した。また、そのほか15日にマクロン大統領との会合に出席した各政党のトップのうち何人かも同様の発表をしている(20 minutes紙、12/17)。

Text by 冠ゆき