米最高裁判事の後任めぐる攻防、注目の理由 トランプ氏が保守派判事を指名

Erin Schaff / The New York Times via AP

◆トランプ氏の選択に民主党は猛反発
 ギンズバーグ判事の死去後すぐに新しい判事を決めようとする共和党の姿勢を受け、民主党は猛反発。民主党大統領候補のジョー・バイデン前副大統領はツイッターで「明確にしておこう。大統領は有権者が選ぶべきで、(新しく)選ばれた大統領が最高裁判事を選ぶべきだ」と主張。またNBCニュース(電子版)によると、チャック・シューマー上院少数党院内総務は、「新しい大統領が就任するまで、ギンズバーグ判事の空席を埋めるべきではない」と明言。オバマ前大統領も「基本的な法の原理、そして日常的な公平性というものは、その時々の都合のよさや有利な立場ではなく、一貫性をもってルールを適用することにある」と発言し、自分たちの都合でルールを変えようとしている共和党をけん制した。

 しかし民主党の抵抗も虚しく、CNNによると、トランプ大統領は9月26日、新しい最高裁判事として、すでに最有力候補として名前が挙がっていた保守派判事、エイミー・コニー・バレット第7巡回区控訴裁判所判事をノミネートした。政治情報サイト『ポリティコ』によると、同判事は現在インディアナ州の第7巡回区控訴裁判所判事を務めている敬虔なカソリック教徒。保守派判事が1人増え、最高裁が完全に保守派寄りになることで、これまでリベラル派判事が守ってきた中絶と同性愛婚の権利およびオバマ前大統領の医療保険制度改革(オバマケア)などが覆される可能性もある。

 これに対し民主党のナンシー・ペロシ下院議長は、使える手段はすべて使ってトランプ氏を止めると強気の発言をしている。ABCニュースによると、ペロシ議長は「私たちには選択肢がある。私たちの矢筒には矢が入って(つまりトランプ氏を止める選択肢がある)いて、それがどんな矢なのかいまは語らないが、事実として我が国はいま大きな難題に面している。この大統領は、大統領選の結果を受け入れないと言った人だ」と述べた。現時点で、民主党が上院選挙で過半数を得た場合、最高裁判事数を増加するという計画も浮上している。アメリカではいま、民主党と共和党の間で最高裁判事をめぐる攻防戦がどのように展開されるかに大きな注目が集まっており、この結果が11月3日の総選挙に影響を与える可能性も高い。

Text by 川島 実佳

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