共和党支持者が「反トランプ」運動、バイデン氏支持を表明

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 もう一つのグループは「リパブリカン・ボーターズ・アゲインスト・トランプ(Republican Voters Against Trump)」だ。「トランプに反する共和党有権者」という名称から、明確にトランプ氏再選阻止の意思が見て取れる。CNNによると、同グループは約1000万ドル(約10億8000万円)の資金をつぎ込み、デジタル媒体をおもに利用してミシガン、ペンシルバニア、フロリダ、ウィスコンシン、ノースカロライナ、アリゾナの「激戦州」をターゲットとした反トランプ広告キャンペーンを行っている。

 最近ユーチューブで公開された同グループの広告は、反トランプから親トランプに転じた共和党のリンジー・グラハム上院議員が「ジョー・バイデンは神が創り得る最良の人間だ」「彼が嫌いならばあなたは人間的に問題がある」と話し、トランプ氏については「アメリカをまた偉大にする方法を知っているか? ドナルド・トランプに『地獄へ落ちろ』と言うことだ」とトランプ氏が大統領に当選する以前にコメントした姿を映すもので、非常に効果的な政治広告であると絶賛を浴びている 。

◆元国務長官や前FBI長官もバイデン氏支援
 一方、ほかにも個人としてバイデン氏支持を表明した有力共和党員も多くいる。なかでも特筆すべきは、ジョージ・W・ブッシュ政権で国務長官を務めたコリン・パウエル氏だろう。同氏はCNNのインタビューで、「私はどんな方法であれトランプ大統領を支持することはできない」「私はジョー・バイデンと社会的にも政治的にも親しくしている。私は過去35年から40年も彼とともに働いてきており、彼が大統領候補となったいま、私が投票するのは彼だ」と明言した。

 また政治情報サイト『ポリティコ』によると、今年3月、前共和党員で現在は無所属のジェームズ・コミー前FBI長官もバイデン氏支持を表明した。コミー氏をはじめ、これまでトランプ氏が敵に回したり、突然解雇したりした共和党政治家や国家公務員もバイデン氏を支持すると思われる。バイデン氏が大統領選のリードを固めるためには、トランプ氏に疑問を抱く共和党員の支援が今後さらに必要となるだろう。

Text by 川島 実佳