共和党支持者が「反トランプ」運動、バイデン氏支持を表明

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 今年11月3日の米大統領選までわずか4ヶ月と迫った。現在は民主党候補のジョセフ(ジョー)・バイデン前副大統領が、CNBCの最新世論調査で9%、ニューヨーク・タイムズの調査では14%の差で共和党候補のドナルド・トランプ大統領をリードしているが、まだバイデン氏が安全圏にいるとは言い難い。民主党中道派のバイデン氏は今後、同党内だけでなく、共和党中道派票も取り込んでいくことがキーポイントとなりそうだ。

◆共和党団体の効果的な反トランプ広告とは
 そのような状況のなか、トランプ大統領を敵視する共和党員グループが大統領選に向けて反トランプキャンペーンを活発化している。そのうちの一つ「リンカーン・プロジェクト(The Lincoln Project)」は、トランプ大統領顧問のケリーアン・コンウェイ氏の夫で、以前からトランプ氏に批判的な弁護士ジョージ・コンウェイ氏が運営者の一人として活動する共和党系の政治グループだ。名前の通り奴隷制度を廃止した人物として称えられるアブラハム・リンカーン大統領を共和党員の鑑としている。

 リンカーン・プロジェクトはこれまで数々の効果的な反トランプ広告キャンペーンを行ってきている。ハフポストによると、同グループは共和党員で構成されているにもかかわらず、今年5月に広告でバイデン氏を「政党政治ではなく良いアイデアを優先できる、党派を超えたリーダー」と絶賛し、米大統領選で同氏を支援すると表明。

Text by 川島 実佳