米国、新型コロナ給付金第2弾はあるのか? 議会が討議中

rblfmr / Shutterstock.com

 一方、下院で可決されたもう一つの法案「ヒーローズ・アクト(HEROES ACT)」は、4月に施行されたケアズ・アクトと同様の経済救済法案である。ニューズウィーク(電子版)によると、ヒーローズ・アクトはケアズ・アクトと同じく独身者は年収7万5000ドル(約807万円)、シングルペアレント家庭では11万2500ドル(約1210万円)、夫婦2人の家庭では年収15万ドル(約1613万円)まで、大人1人1200ドル、子供1人につきさらに1200ドルを受給する内容だ。ただし、記事によるとケアズ・アクトが子供の数に制限を設けなかったのに対し、ヒーローズ・アクトでは3人までとなっている。つまり、子供1人当たりの金額は多いものの、子供が8人以上の場合は受給額が少なくなるというわけだ。

 また、CNBC(電子版)によると、ケアズ・アクト下で新型コロナウイルスの影響による失業者に7月31日まで支払われる週600ドル(約6万5000円)の追加補助金を1月まで延長する内容も盛り込んでいる。

◆第2弾は下院通過、共和党過半数の上院では難航 
 しかし、民主党が過半数の下院ではすんなり可決したヒーローズ・アクトは、いまのところ共和党が過半数の上院で停止状態に陥っている。ニューズウィーク(電子版)によると、現在各州で経済再開が進んでいることから、共和党はさらなる経済救済法案に待ったをかけているという。記事によると、アメリカ人2000人を対象とした世論調査では82%が第2弾の給付金支給を期待している。今年11月の総選挙を前に共和党が折れる可能性もあるが、いまのところコロナ給付金第2弾は様子見状態であると言えそうだ。

Text by 川島 実佳