中道派バイデン氏を左派プログレッシブ2名が猛追 混戦の民主党指名争い

Robert F. Bukaty / AP Photo

 2020年11月の米大統領選まであとわずか1年2ヶ月となった。トランプ大統領が今後何らかの理由で失脚しない限り、共和党では同大統領を2020年大統領選候補として指名する可能性が高い。一方、民主党予備選は何名かが脱落したもののいまも候補者が多く、引き続き混沌とした様相を見せているが、最新の世論調査によると、そのうちトップ3はほぼ決定されたようだ。

◆失言連発でバイデン氏の人気に陰り?
 民主党候補のなかで世論調査のトップを走っているのは、知名度が最も高い中道派のジョー(ジョセフ)・バイデン前副大統領である。しかし、政治専門紙ヒル(電子版)は、バイデン氏は最近「貧しい子供たちも白人の子供たちと同じように優秀で才能がある」など数々の失言をしたと報道。また数十年も前に支持した政策について討論会で他の候補者に攻撃されるなどしたことから、同氏の人気に多少の陰りが出てきた感もある。

 また同記事によると、バイデン氏はその後も、2018年に銃乱射事件が起こったフロリダ州パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校について語り、「可哀そうな(パークランド高校の)生徒たちは、私が副大統領だったとき私に会いに来た」と述べた(バイデン氏の副大統領任期は2017年1月まで)。バイデン氏の場合は嘘をついているというよりも76歳という年齢により記憶が曖昧なのではないか、という憶測と懸念を呼んでいる。

Text by 川島 実佳