「米国民ですか?」国勢調査に質問を入れようとしたトランプ氏 最高裁が却下

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 アメリカでは10年に1度、国勢調査(センサス)が行われる。この調査は同国内に居住している国民および移民の数を正確に把握するために行われるものだが、2020年に実施されるはずの国勢調査に異変が起きている。トランプ政権が、調査のなかに「あなたはアメリカ国民ですか」という質問を入れようと躍起になり、最高裁で却下された後は大統領令まで発令しようとしていたのである。

◆トランプ政権、市民権に関する質問を断念
 CBSニュース(電子版、7月11日付)によると、トランプ大統領は結果として同日、2020年の国勢調査にこの質問を記載することを断念した。しかしトランプ氏は敗北を認めず、代わりにアメリカ国民と移民に関するデータ収集と商務省への提出を政府各省に求める大統領令を発令すると述べた。

 アメリカではこれまで、国勢調査は居住者の頭数を統計することが目的であり、居住者がアメリカ国民か否かは問題にしていなかった。この騒動の争点は、トランプ大統領がこれまで長く続いてきた慣習を破り、なぜそこまでしてこの質問を国勢調査に記載したかったのかという点にある。

Text by 川島 実佳