「国民に月1000ドル支給」米大統領選に挑む異色の候補、アンドリュー・ヤン

Collision Conf / flickr

 2020年の米大統領選に続々と候補者が名乗りを上げ始め、すでに十数人が立候補表明をしている。そのなかでいま注目を集めているのが、「全国民にユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)を」という大胆な政策を掲げる、起業家のアンドリュー・ヤン氏だ。当選するかはさておき、今後は選挙戦の表舞台に出てくることが期待されている。

◆政治経験なし、「未来への不安」から出馬
 ヤン氏は44歳。台湾出身の両親を持つアジア系アメリカ人で、民主党の候補者だ。コロンビア大学ロースクール出身の法律家で、企業弁護士からスタートアップに転じた。その後ビジネススクールや大学院受験のための予備校のCEOとなり成功。2011年には、有名大学出身の若者を地方に送って地元のスタートアップ企業で修業させ、最終的には起業まで導く「ベンチャー・フォー・アメリカ」という組織を設立した。大企業で楽に数十万ドル稼げるであろうエリートたちを国内に分散させることで、経済成長の恩恵を広く行きわたらせることを目的としている。

                                                                                                                 

 ヤン氏は大統領選出馬の動機を、アメリカの未来への不安だとする。自身の選挙用サイト(Yang 2020)で、ロボット、ソフトウェア、人工知能といった新しいテクノロジーによって全米ですでに400万人分以上の雇用が失われ、今後5~10年でさらに数百万人分が消えるだろうと訴えている。

 もちろん新しい雇用は生まれるが、これからの新産業革命は最初の産業革命の数倍の速さで進むとヤン氏は述べる。結果として、移行から取り残され生活を脅かされた人々による暴動などが起こるだろうとしている(ニューヨーク・マガジン)。また、オートメーションで職を奪う側の企業と、奪われる側の分断も進むと予測している(ガーディアン紙)。

Text by 山川 真智子

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