動き出す2020年米大統領選 民主一番乗りはウォーレン上院議員

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 2019年に入り、次期大統領選が来年に迫ったアメリカ。政府機関閉鎖の騒動は続いているものの、米上下院の新会期が3日に開始され、反トランプ大統領派にとってはトンネルの向こうに光が見えてきた状況と言ってもいいだろう。民主・共和両党の政治家たちも、2020年の大統領選を見据えた動きを見せてきている。

◆民主ウォーレン上院議員、大統領選出馬へ一歩踏み出す
 そんななか、マサチューセッツ州選出の民主党上院議員エリザベス・ウォーレン氏が2020年大統領選出馬に向けて大きな一歩を踏み出した。先月31日付のNBCニュース(電子版)の報道によると、ウォーレン議員は同日、大統領選出馬のための予備調査委員会設立を発表し、連邦選挙委員会に選挙運動資金の収集と支出の許可を得るための書類を提出した。まだ出馬を宣言したわけではないが、正式発表も近いと思われる。

 その後1月に入り、ウォーレン氏は米大統領選に出馬する候補者が全米で最初に訪れるアイオワ州を訪問。地元紙デモイン・レジスター(電子版)によると、同氏は聴衆を前に「私が闘う理由は感謝しているからだ」「私の父親は用務員だったが、私は学校の先生、大学教授、そして上院議員になることができた。私は爪先までアメリカに感謝している」と熱弁をふるった。

 USAトゥデイ(電子版)は31日、ウォーレン氏が2020年大統領選出馬の姿勢を鮮明にしたことについて、同氏の宿敵ともいえるトランプ大統領はが、「彼女(ウォーレン議員)がうまくやることを望んでいる。彼女と大統領選で争いたい」と述べたと報道。

 しかし、トランプ氏のこの発言は決して好意から来ているものではない。ウォーレン氏が過去、自分にアメリカ先住民の血が流れていると主張したことに対し、トランプ氏は同氏を「ポカホンタス」と呼んであざ笑った背景がある。自信家のトランプ氏はウォーレン氏が相手ならば自分の再選が可能であると踏んでいることは間違いなさそうだ。

Text by 川島 実佳