米中間選挙2018、注目ポイントは? 接戦の下院選、白人vs黒人の州知事選

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◆下院選
RealClearPolitics』によると、下院選では現在民主党寄りが203議席、共和党寄りが194議席で、「トスアップ」と呼ばれる接戦議席は38議席となっている。ペンシルバニア州やミネソタ州、ニュージャージー州など、民主よりの州で議席を保持していた共和党員が危機に瀕しているようだ。しかし両党の差は迫ってきており、トスアップも多いことから現時点では予想がつかない。

◆州知事選
 今回の中間選挙で最も注目されているのは深南部ジョージア州とフロリダ州の知事選であると言ってもいい。どちらの州でも黒人候補が白人候補と大接戦を繰り広げており、アメリカの人種問題の縮図とも言えそうな選挙戦となっている。

ジョージア州:ステイシー・エイブラムス(民主党)vs ブライアン・ケンプ(共和党)
 勝てば同州初の黒人女性州知事となるエイブラムス氏が予想外の善戦を繰り広げている。しかし、同州の選挙を司る州務長官を務めるケンプ氏が自分自身の選挙を管理するという世界一の先進国とはとても思えない事態が繰り広げられている。地元テレビ局WXIAのニュースサイト『11Alive.com』によると、ケンプ氏が州務長官に就任以来、同州では選挙に関する問題が多発しているという。

 CNNの4日の報道によると、ケンプ氏は今月4日、選挙2日前になって突然「ジョージア州民主党が有権者情報をハッキングした疑いで捜査を受けている」と証拠を示さず発言。民主党は否定すると同時にケンプ氏を激しく非難している。

フロリダ州:アンドリュー・ギラム(民主党)vsロン・デサンティス(共和党)
 フロリダ州知事選は、同州選出の現職下院議員デサンティス氏と、同州州都タラハシーの現職市長ギラム氏の一騎打ちだ。デサンティス氏は親トランプ派、対するギラム氏は、政治サイト『The Hill』の10月21日付記事によると、「ドナルド・トランプは弱いから、他の弱者と同じような行動をとる。ブリー(いじめっ子)になるのだ」と歯に衣着せぬ発言をした筋金入りの反トランプ派である。

 威風堂々としてカリスマ性にあふれるギラム氏の人気はうなぎ上りで、現職議員との戦いにもかかわらず、エマーソン・カレッジが11月3日~5日に行った世論調査によると、現在ギラム氏がデサンティス氏を5ポイントリードしている。

 政治サイト『ポリティコ』は5日、すでに記録的な数である約3,600万人が早期投票を行ったと報道しており、6日の中間選挙における投票率は2016年の総選挙を大幅に上回ると予想される。選挙で、アメリカの今後の行方が決定されると言っても過言ではないだろう。

Text by 川島 実佳