「性的不品行」を告発する者が続々……泥沼化した米最高裁判事の指名問題

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◆不完全なFBIの捜査が今後の争点に
 USAトゥデイ(電子版)の9月24日付記事によると、カバノー氏はFOXニュースで放映されたインタビューで、「私は誰に対しても性的暴行を働いたことはない」「(フォード教授が証言した)パーティーには参加していない」などと述べ、潔白を主張。

 フォード教授とカバノー氏の両方が出席し証言を行った27日の上院公聴会でも、カバノー氏は、涙を流しながら性的暴行疑惑を、「左派(民主党)の反対はクリントン夫妻のための(ビル・クリントン元大統領の弾劾裁判)復讐だ」と声を荒げた。

 公聴会後、上院共和党議員は採決を強行。共和党が過半数を占める上院でカバノー氏承認投票を翌日に行うと述べたが、ここで共和党の反トランプ派、アリゾナ州のジェフ・フレーク議員が待ったをかけた。フレーク議員は「カバノー氏に対する性的暴行疑惑に関する捜査が連邦捜査局(FBI)によって行われない限り、上院では賛成票を投じない」と主張したのである。

 その後、FBIによる捜査が行われたと報道されたが、カバノー氏の高校・大学時代を知る人々が「情報提供のためFBIにコンタクトしたが連絡が返って来ていない」と話している(ハフポスト)ほか、関係者はFBIが「カバノー氏とフォード教授に直接話す許可をホワイトハウスから与えられていない」、またホワイトハウスから捜査に使用するのは「カバノー氏とフォード教授の公聴会での証言で十分」と指示されたと証言している(タイム誌(電子版))。

 結局、6日に採決が行われ、カバノー氏の人事案は承認されたが、今後FBIによる捜査内容の不完全さが争点となっていくだろう。次期最高裁判事承認に関するスキャンダルはまだまだ続きそうだ。

Text by 川島 実佳