教員の銃武装、連邦政府からの補助金を使用してもよい 米教育長官

AP Photo / Jose Luis Magana, File

 ベッツィ・デボス米教育長官は、教職員に銃を所持させることや銃器の取扱い方法を訓練するために、連邦補助金が使用される可能性について「いかなる対応についても講じるつもりはない」と述べた。

 8月31日に発表されたデボス長官の声明は、教職員の銃武装に関して、同教育省高官からの質問を受けたものであった。そこでは、連邦政府からの教育補助金の用途は、州政府や地方行政が常に「柔軟性をもって」決定するものであると述べられた。

 フランク・ブローガン教育省初等中等教育担当次官補は、教育者を銃武装させることは「学校、学区、もしくは州が各自で判断するべき物事だという良い事例である」と述べた。トランプ大統領とデボス長官は、銃武装した教職員によって学校が救われる可能性もあるだろうし、その選択肢を持つことは必要であると話していた。

                                                                                                                 

 デボス長官は8月31日の声明で、教職員を銃武装することや銃器の取扱い方法を訓練することについて、「私も教育省も、連邦議会からその決定に関する権限を与えられていない」と述べた。

 デボス長官のコメントは、バージニア州下院教育委員会において民主党代表を務めるボビー・スコット議員に宛てた書簡に記され、その内容は教育省によってツイッターに投稿された。

「州政府や地域の教育機関が連邦議会により与えられた、責任や柔軟性を拡大または制限するつもりは全くない」との内容だ。

 一方で、民主党と教育団体は、補助金は教育のために使用されるものであり銃のためではないと、異議を唱えてきた。

 バレンタインデーに起きたフロリダ州の高校での銃乱射事件の後、学校の安全に関する連邦委員会が結成され、デボス長官はその代表を務めている。

 初期に草案された委員会の報告書では、州政府や地域社会は「各学校独自の状況に基づいて」、暴力を抑止するために警備員や教職員を銃武装するかどうか決定するよう提言している。学校職員への訓練に関する項はAP通信によってレビューされた。

 草案によると、この取り組みは警察署が遠い地域の学校で「特に有効である」という。提言内容は他に、スクールポリスを設置し学校職員と緊密に連携することが記載された。

 8月30日に行われたAP通信とのインタビューにおいて、ブローガン初等中等教育担当次官補はテキサス州の「学校保安官」制度について言及した。自らの意思で訓練を受けた学校職員は、学校内で銃を携行できるという制度である。討論会では、警官の到着にはかなりの時間を要する可能性があるため銃武装した学校職員を頼りにしているといった、遠隔地域の学校関係者の意見もあれば、一方で、教職員が銃を所持することは危険であり、刑務所にいるような気分になりかねないという反対意見もあった。

 ブローガン次官補によると、民主・共和両党の超党派的な法律であり教育の権限を州政府へと移行させたESSA法(すべての生徒が成功する法)によって、年間およそ10億ドルの補助金が、学校のさまざまな必要を満たすために拠出されている。そして、この内20%が学校の安全対策のために確保されている。

「何年も地元にいる人々が、委託すべきサービスや、法律で制定されている広範な責務を履行するために購入すべき設備を決定することもあり得る」とブローガン次官補は述べた。

 このような補助金の使用を現時点で法律に制定されている用途に制限することは、教育省ではなく連邦議会の権限なのだ、と教育省の女性報道官は話す。

 補助金の用途については、オクラホマ州の遠隔地域にある小さな小学校とテキサス州から教育省に問い合わせがあった。論争は、その後、8月の初めに起きた。

「あなたは言葉を理解しますね……法案には『これはあなたのお金である』と書かれており、常にそのように解釈されてきたのです」とブローガン次官補は述べた。

 民主党議員と教職員たちは激しく非難し、全米ライフル協会の利益を優先しているトランプ政権を糾弾した。また一部の下院議員は、銃器がそのような補助金の使用対象となることを禁止する法案を要求した。

 上院教育委員会で民主党代表を務めるパッティー・マレー上院議員は、ツイッターに投稿した。「教師たちを銃武装させるために連邦政府からの補助金の使用を認可するという、こんなひどい法案を推進しているなんて、(デボス長官には)ひどく失望した」

 さらに「デボス長官が考えを改めることを期待している。それまで、私たちは圧力をかけて続けなければ」と続けた。

 ブローガン次官補はまた、委員会はホワイトハウスからの指示通り、銃規制に取り組むつもりであることを明らかにした。デボス長官は6月に行われた上院公聴会において、委員会は、混乱を引き起こしている銃「そのもの」について考えるつもりはない、と発言していた。ブローガン次官補は、自分自身や他人を傷つけるかもしれない精神的な問題を抱える人が銃器を所有できるかどうかに加え、銃購入の年齢制限についても委員会で検討される予定だと述べた。

 さらにブローガン次官補は、「学校安全については、目新しい政策だけではなく、既に人々が行っており成功実績がある最良の方法を提供するガイドラインが、委員会によって提示されるだろう」と話した。

「この件については、一様の方法で取り組むことはできない。この国は、地域によって、学校によって、また州によって実に異なっているのだ。学校を安全にするための、決められた唯一の方法はない」とブローガン次官補は述べる。

 学校職員に対する銃武装や武器の取扱い訓練の実施以外で、委員会によって明らかにされた最良の方法には、磁気探知機や他の安全手段を学校に導入すること、性格形成プログラムの実施やテレビゲームや映画が暴力行為に与える影響についての提言が含まれるという。ブローガン次官補によると、報告書は「晩秋か、もしくは年内までに」発表される予定だ。

 委員会は、17名が犠牲となったフロリダ州パークランドにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校での銃乱射事件を受け、2018年3月、トランプ大統領によって創設された。デボス長官が委員長を務め、司法省、保健社会福祉省、国土安全保障省、各省庁の長官で構成されている。

By MARIA DANILOVA, Associated Press
Translated by Mana Ishizuki

Text by AP

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