プーチン画像でトランプ大統領に反撃 「反トランプ」貫く共和党州知事

Matt Rourke / AP Photo

 8月7日にオハイオ州で行われた下院特別選挙では、終盤民主党候補に追い詰められたものの、残存した票を2週間かけてカウントした結果、NBC系地元テレビ局WCMH-TV(電子版)の同月24日付報道によると、共和党候補のトロイ・ボルダーソン氏が約1,700票差で辛勝したことが選挙から17日後になりようやく発表された。

 共和党に属するドナルド・トランプ大統領は4日にオハイオ州でボルダーソン氏の応援演説を行ったが、同州は2016年の大統領選共和党予備選で火花を散らした政敵、ジョン・ケーシック知事のお膝元である。元々犬猿の仲だった2人の仲が、今回の特別選挙後にさらにこじれている。

                                                                                                                 

◆州知事と大統領、特別選挙の接戦をお互いのせいに
 ケーシック知事は投票日前の5日、トランプ氏が同州を訪問後、USAトゥデイ紙(電子版)に、「トランプ大統領は郊外に住む女性やミレニアル世代に人気がない。本来はスラムダンクでボルダーセン氏が勝つべき選挙が、(トランプ氏のせいで)驚くほど接戦になっている」と苦言を呈した。

 7日の投票後、ボルダーソン氏が民主党候補のダニー・オコナー氏をわずかにリード。しかし、僅差のため選挙結果は公式発表されないままだったが、トランプ大統領は翌8日、ボルダーソン氏が勝利するものと決めつけ、ツイッターに「私がトロイ・ボルダーソンのためにオハイオ州に行くことを決めたとき、早期投票で彼は64対36の割合で負けていた。それは良い結果ではなかった。私が土曜夜(4日)に(オハイオ州で)スピーチを行ってからは状況が大幅に改善した。トロイは今、選挙が行われるタフな年で偉大な勝利を収めた」とボルダーソン氏の勝利を自分の成果として投稿。

 トランプ氏は13日になるとまたツイッターで、「ひどく人気のないオハイオ州の知事(そして落選した大統領選候補)ジョン・ケーシックは、偉大な候補者であるトロイ・ボルダーソンに対する熱意を弱めて、彼の勝利を傷つけた」とケーシック知事を攻撃。そして、「ケーシックの副知事さえも、彼(ケーシック氏)の不人気のため知事選に落選した」と述べた。

◆ケーシック知事、プーチン大統領の画像で反撃
 トランプ氏のツイッター発言に対し、ケーシック氏はすぐさまロシアのウラジーミル・プーチン大統領が笑っているGIF画像を使いツイッターで反撃。5万5,000件の「いいね」を集め、「あなたを誇りに思う」「ケーシックはたまにとても好感が持てる。そんなところが好きだ」「今日はケーシックがツイッターで勝利した」というコメントが続出した。

 政治情報サイト『The Hill』の8月13日付記事によると、前日12日にNBCニュースの政治ニュース番組『ミート・ザ・プレス(Meet the Press)』に出演したケーシック知事は、共和党は今回の特別選挙を「このカオスをストップするための」警鐘と捉えるべきだと警告。また、「2020年大統領選出馬の可能性を考えていないわけではない」と述べ、トランプ氏再選阻止に動く可能性を示唆した。

 USAトゥデイ系地元ニュースサイト『Cincinnati.com(シンシナチドットコム)』によると、反トランプを貫くケーシック知事は、今月24日にトランプ氏がオハイオ州を公式訪問した際に「大学に進学する娘と一緒に過ごしたいから」という前代未聞の理由から、共和党のファンドレイザーでもある公式晩餐会を欠席するという事態に発展している。

 自分の信念を曲げないケーシック氏が、今後トランプ大統領に歩み寄る可能性はほぼない。オハイオ州では民主党員にも人気の政治家であり、任期切れのため今年いっぱいで8年間務めた州知事職を退く同氏が、今後共和党を脱党してインデペンデント(独立)派、あるいは民主党に加入して、再び大統領選に挑戦する可能性も十分考えられる。

Text by 相馬佳

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