“飾らない”ウィリアム王子、茶の湯から福島訪問まで大忙し 英メディアも注目

 26日、イギリスのウィリアム王子が来日した。英ロイヤル・ファミリーの訪日は、2008年のチャールズ皇太子とカミラ夫人以来。今回は、4月に第二子を出産予定のキャサリン妃の帯同はなかった。滞在中には、東日本大震災の被災地を訪問する予定も組まれている。

◆ダイアナ妃にもふるまわれたお茶で歓迎
 英BBCは、4日間の訪問の最初に、ウィリアム王子が伝統的茶の湯の儀式に参加したと報じた。2020年の東京五輪の主要会場となる東京湾を、高速船で見学した後、王子は東京都の舛添知事らと共に、浜離宮恩賜庭園に到着。雨の中、日英の国旗を振るたくさんの児童から歓迎を受けてから、園内の茶屋で、茶道裏千家の前の家元、千玄室(せんげんしつ)氏がたてたお茶を楽しんだ。

 舛添知事は、「たいへんフランクでお優しくて、浜離宮に着いた時に出迎えたほとんどの子供に声をかけて下さり、いろいろな話ができたので良かったと思います」と王子の気さくな人柄について語った。

 BBCは、王子が「随行者たちにならい靴を脱いで」茶室に上がられたことや、千氏がチャールズ皇太子とダイアナ妃が1986年に来日した際にも、お茶をふるまったというエピソードを紹介。ダイアナ妃見たさに10万人の市民が東京のパレードに集まった、当時の「ダイアナ・フィーバー」にも言及した。

◆福島訪問には反対の声も
 英テレグラフ紙は、王子が福島を訪れることに対し、原発事故の被災者から非難の声が挙がっていると伝えている。

 王子の福島訪問には、安倍首相自らが同行予定。同紙は、現地で王子が農産物を食べ、子供達とふれ合うことで、福島はメルトダウンから立ち直りつつあるというメッセージを送ることになると述べる。これは、原発再稼動を目指す安倍首相にとっては好都合で、被災者たちは、安倍首相の原発推進政策に、王子が利用されかねないと危惧しているという。

 また、首相と王子が訪問するのは、多くの避難者が出た原発周辺の町ではないとテレグラフ紙は指摘。福島第一原発に近い、楢葉町の僧侶は、「私だったら、見捨てられて廃墟になった町や、いまだに行場のない避難者が暮らす仮設住宅に、王子を連れて行く。私らが直面している現実を理解してもらえるように」と英タイム紙に述べたという。

◆王子の頭はロイヤル・ファミリーの証
 タブロイドの英エクスプレス紙は、ウィリアム王子の「Bald Truth(あからさまな、飾らない真実)」が日本で見せられたと述べ、年々髪の毛の減る王子についてコメントした。

 同紙は、32歳のウィリアム王子の薄毛は遺伝だと断定。叔父のエドワード王子も21歳でハゲ始め、51歳の今では、輝く頭頂を隠そうともしないと述べる。今でもバーコード頭がお気に入りの父、チャールズ皇太子の薄毛が始まったのは28歳のとき。祖父のフィリップ殿下の髪の悩みも、同時期に始まったらしい。男性の薄毛は、一般的には母方の祖父から遺伝するとされているが、父方からの遺伝もあるという研究結果も出ているそうだ。

 日本でも、食生活の変化と現代生活のストレスで、薄毛に悩む人が増加中だが、同紙によれば、ハゲることにおいては、日本はイギリスやヨーロッパに、まだまだ後れをとっているらしい。

 ウィリアム王子の飾らないヘアスタイル。もしかするとこの来日を機会に、日本で共感を呼ぶこともありそうだ。

Text by NewSphere 編集部